117 / 275
旅行の前の日の夢
12.
しおりを挟む
充は何となく僕と三ヶ嶋君に状況を説明するタイミングを失ったようで、何となくよそよそしい雰囲気だったのはそういうのが理由だったようだ。充の性格から言えば、そういうのを自慢げに語りそうだなと思ったりするけど、案外と律儀な性格でもあり、守らないといけない所はしっかりと守るというのも、ある意味で充らしいとは思った。
僕たちと充でお互いに探り合っていたというと、大げさかもしれないけど、そういう感じだったのかもしれない。加えて、課題提出前と言う事もあって、何となくバタバタした感じも、そういう雰囲気に拍車を掛けたのかなと思った。
気になる続きはこんな感じだった。
前回の食事のときは、約束してからすぐだったし、流れがあったので、特別に意識する事は無かった。でも、その時は急にちょっと意識するような感じになったそうだ。ただ、やっぱり相談というのが何なのかは気になっていた。
充本人が言うのもどうなんだろうと思うが、充はパッと見た時に、気軽に話しかける事は出来そうだし、楽しい話を出来る雰囲気は持っている。でも、一度食事に行ったとは言え、そこまでお互いを知らない時に相談を持ち掛けられるような雰囲気を持っているとは思えなかったからだ。
それには僕と三ヶ嶋君も激しく同意した。恐らく僕たち三人の中で相談するのに適していると思われるのは三ヶ嶋君だろう。ある程度、親しくなれば悩み事によっては充と言う選択肢もあるかもしれないけど、最初の選択肢に充が出てくるというのは、恐らく充自身も不思議に思ったに違いない。
そして、約束の時間に待ち合わせて、またご飯を食べに行ったそうだ。会話はその前の時と同じ様にたわいのない事が中心だった。会話自体は楽しかったが、ますます相談の事が気になっていた。別にこのままでも良いかなと思った充だったけど、やっぱり、はっきりさせたいと思い
「相談があるって言ってたけど…」
と、切り出したそうだ。充の言葉に一種運だけ躊躇した沢島さんだったが、覚悟を決めたように言葉を発した。充の話だと次のような展開になったらしい。
「思い切って言うんですけど、好きになっちゃったみたいなんです」
「は?」
「今、彼女さんとかいますか?」
「いないです」
「好きな人とかいますか?」
「特別にどうこうというのは…」
「だったら、好きになっても良いですか?」
「えっ、あっ、ハイ」
「嬉しい…」
何だその流れ、僕はそう思う。充の妄想なのではと疑いたくなってしまった。
僕たちと充でお互いに探り合っていたというと、大げさかもしれないけど、そういう感じだったのかもしれない。加えて、課題提出前と言う事もあって、何となくバタバタした感じも、そういう雰囲気に拍車を掛けたのかなと思った。
気になる続きはこんな感じだった。
前回の食事のときは、約束してからすぐだったし、流れがあったので、特別に意識する事は無かった。でも、その時は急にちょっと意識するような感じになったそうだ。ただ、やっぱり相談というのが何なのかは気になっていた。
充本人が言うのもどうなんだろうと思うが、充はパッと見た時に、気軽に話しかける事は出来そうだし、楽しい話を出来る雰囲気は持っている。でも、一度食事に行ったとは言え、そこまでお互いを知らない時に相談を持ち掛けられるような雰囲気を持っているとは思えなかったからだ。
それには僕と三ヶ嶋君も激しく同意した。恐らく僕たち三人の中で相談するのに適していると思われるのは三ヶ嶋君だろう。ある程度、親しくなれば悩み事によっては充と言う選択肢もあるかもしれないけど、最初の選択肢に充が出てくるというのは、恐らく充自身も不思議に思ったに違いない。
そして、約束の時間に待ち合わせて、またご飯を食べに行ったそうだ。会話はその前の時と同じ様にたわいのない事が中心だった。会話自体は楽しかったが、ますます相談の事が気になっていた。別にこのままでも良いかなと思った充だったけど、やっぱり、はっきりさせたいと思い
「相談があるって言ってたけど…」
と、切り出したそうだ。充の言葉に一種運だけ躊躇した沢島さんだったが、覚悟を決めたように言葉を発した。充の話だと次のような展開になったらしい。
「思い切って言うんですけど、好きになっちゃったみたいなんです」
「は?」
「今、彼女さんとかいますか?」
「いないです」
「好きな人とかいますか?」
「特別にどうこうというのは…」
「だったら、好きになっても良いですか?」
「えっ、あっ、ハイ」
「嬉しい…」
何だその流れ、僕はそう思う。充の妄想なのではと疑いたくなってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる