135 / 275
マイクのテストをする夢
1.
しおりを挟む
体育館の壇上にポツンと一人立っていた。目の前にはマイクがひとつ置かれていた。いつの間にかヘッドフォンをしていて、声が聞こえる。
「…はい、ではマイクテストお願いします」
ヘッドフォンから声が聞こえてくる。マイクを手に持って声を発してみる。
「えー、…」
とりあえず、声を出してみたが、次になんて言ったらいいのか分からない。少し考えて、
「テス、テス、テス。マイクのテスト中…」
なんて言ってみた。前にどっかでマイクのテストをやっている時に聞いた文言だと思う。たぶん、こんな感じだろう。自分の声が大きく響くのが何だか恥ずかしい気がしたが、これはマイクのテストなんだから恥ずかしがってはいけないと思う。堂々と声を発すれば良いんだと思う。
「…はい、もう一度お願いします」
文言としては間違っていなかったのか、気になったけど、それに関しては何も言われなかったという事は問題ないという事なんだろう。もう一度、同じような感じで言ってみた。
「テス、テス、テス。マイクのテスト中…」
一度言った台詞なので、前よりはスムーズに言えた気がする。声が拡大されて響くのは、まだ恥ずかしかったが、さっきよりは良い感じだと思う。
「…はい、OKです。次、お願いします」
そうヘッドフォンから聞こえてくる。
「次?」
思わずつぶやくけど、その声は向こうには届いていないようだった。
「えー、…。テス、テス、テス。マイクのテスト中…」
良く分からなかったので、結局、同じことを言ってしまう。
「…はい。それはOKですから、次、お願いします」
ヘッドフォンから少し呆れたように声が聞こえる。
「…だから、次って何?」
と言ってみたけど、やっぱり、聞こえていないみたいで何も言ってこない。
「えーっと…」
少し考えて、
「本日は晴天なり、本日は晴天なり、本日は晴天なり…」
と思いついた事をやけくそのように言っていた。確か、こんな感じでマイクテストをやっていたのもあったはずだ。
「…はい。OKです。では、次は声を少しずつ大きくしていってください」
次の指示がヘッドフォンから聞こえてきた。
「声を大きく?同じセリフで良いの?」
独り言のように聞いてみるけど、反応は無い。
「本日は晴天なり、本日は晴天なり、本日は晴天なり…」
少しずつ声を上げてみた。
「…はい。もっと大きな声で思いっきり」
「本日は晴天なり…」
意地になったように大きな声で叫んでみた。大きな声が体育館中に響いて、とてもうるさかった。
「…はい、ではマイクテストお願いします」
ヘッドフォンから声が聞こえてくる。マイクを手に持って声を発してみる。
「えー、…」
とりあえず、声を出してみたが、次になんて言ったらいいのか分からない。少し考えて、
「テス、テス、テス。マイクのテスト中…」
なんて言ってみた。前にどっかでマイクのテストをやっている時に聞いた文言だと思う。たぶん、こんな感じだろう。自分の声が大きく響くのが何だか恥ずかしい気がしたが、これはマイクのテストなんだから恥ずかしがってはいけないと思う。堂々と声を発すれば良いんだと思う。
「…はい、もう一度お願いします」
文言としては間違っていなかったのか、気になったけど、それに関しては何も言われなかったという事は問題ないという事なんだろう。もう一度、同じような感じで言ってみた。
「テス、テス、テス。マイクのテスト中…」
一度言った台詞なので、前よりはスムーズに言えた気がする。声が拡大されて響くのは、まだ恥ずかしかったが、さっきよりは良い感じだと思う。
「…はい、OKです。次、お願いします」
そうヘッドフォンから聞こえてくる。
「次?」
思わずつぶやくけど、その声は向こうには届いていないようだった。
「えー、…。テス、テス、テス。マイクのテスト中…」
良く分からなかったので、結局、同じことを言ってしまう。
「…はい。それはOKですから、次、お願いします」
ヘッドフォンから少し呆れたように声が聞こえる。
「…だから、次って何?」
と言ってみたけど、やっぱり、聞こえていないみたいで何も言ってこない。
「えーっと…」
少し考えて、
「本日は晴天なり、本日は晴天なり、本日は晴天なり…」
と思いついた事をやけくそのように言っていた。確か、こんな感じでマイクテストをやっていたのもあったはずだ。
「…はい。OKです。では、次は声を少しずつ大きくしていってください」
次の指示がヘッドフォンから聞こえてきた。
「声を大きく?同じセリフで良いの?」
独り言のように聞いてみるけど、反応は無い。
「本日は晴天なり、本日は晴天なり、本日は晴天なり…」
少しずつ声を上げてみた。
「…はい。もっと大きな声で思いっきり」
「本日は晴天なり…」
意地になったように大きな声で叫んでみた。大きな声が体育館中に響いて、とてもうるさかった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる