夢ノコリ

hachijam

文字の大きさ
152 / 275
福引する夢

3.

しおりを挟む
試験は昨日までに終わり、あの日の花火大会からは一週間が経っていた。月も変わり八月になっていた。高校生までとは違い、終業式なんてものは無く、試験が終わり次第、それぞれ各自で夏休みに突入していくというのが大学だ。すでに試験が終わっている人たちは夏休みに入っている人たちもいたけど、僕はどちらかと言うとギリギリまで試験があった方だけど、一応、今日まで試験があるので、一足先に夏休みと言えるのかもしれない。

ちなみに今日まで充は試験があったりする。試験の終わりがバラバラだったこともあり、終わったら打ち上げみたいな感じには今のところなっていない。今日、わざわざ集まってと言う感じでもない。試験が終わったら充が連絡するという事になっていたけど、そういうのが無ければ何となく夏休みに入って、そのままダラダラと過ごしてしまい、気が付いたらあっという間に後期が始まっていたなんて事になりそうだなと言うのにちょっとだけ怯えていたりする。

それだけはどうにか避けたいなと思っている。でも、あの花火での不運を考えると、油断してはいけないのではと思った。結局、夏休みの予定は空白のままだった。赤岡さんたちとの連絡も、充とか三ヶ嶋君はどうなっているのか分からないけど、少なくとも僕は絶えていた。気にせず連絡すれば良いんだろうけど、とりあえず、僕は昨日まで試験だった事を言い訳にしていて、試験が終わったらにしようと考えていた。

例によって、連絡してみればなんてことないんだろうけど、試験中だと申し訳ないし、僕だったら嫌だなと思う事も事実だったので待った方が良いのかなと思った。

どっちにしろ、充からの連絡を待つしかないかなと思う。明日、もしくは明後日、何にも連絡が無かったらこちらから連絡しようと思う事にした。とりあえず、今日はそういう言い訳が出来た事でホッとする事にした。

さて、そうなると、今日、何をやって良いのか分からなくなってしまった。九月の終わりまで続く夏休みの初日、昨日まで試験で何も考えていなかったこともあり、どうしたら良いんだろうと思ってしまった。特別に忙しい毎日を送っていた訳でもない大学生でも、急に暇になると何をやったら良いのか分からなくなってしまった。気が付いたら、もうお昼も間近と言う時間で怠惰な時間を過ごしていた。

ダラダラとテレビを見ているとあっという間に時間が過ぎていく。何となくウトウトしていて、気が付くと夕方と言える時間になっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...