夢ノコリ

hachijam

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福引する夢

2.

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福引を続けるか、少し迷ったけど、別にガラガラを回して何か損する事もないなと思った。しかも、三等、二等と来ているから次は一等が出るのではと思っている。一等の商品が何かというのも気になる。流れからいくと、抽選補助券三枚でまた抽選でエンドレスになる気もしたけど、それはそれで明らかにしたいとも思っていた。ここで止める理由は無いと僕は決断して、ガラガラを回す。今度は慎重にゆっくりと回した。そして、出てきたのは金色の球だった。

「わー、大当たりです」

女の子が驚いたように大きくベルを鳴らした。さっきまでとは違い、今度は本当に驚いたような感じだった。

「特等です。おめでとうございます」

何度もベルを鳴らしてうるさいくらいだった。そのくらい女の子は興奮している。

「ありがとうございます」

何だか分からなかったけど、大当たりみたいなので、素直に喜んで自然とお礼を言っていた。何がもらえるんだろう。次の瞬間そう思った。

「…そうですね」

ちょっと女の子は考える。あれ、もしかして、商品を考えていなかったのかとか少し思う。

「うーん」

何が良いかなと言う感じで僕の顔を覗く。ちょっとだけドキッとした。

「そうだあれが良い。最近、あまり運が良くないでしょ。だから、特別にちょっとだけ幸運な事をプレゼントして上げる」

そう女の子は言う。

何だろう、その抽象的な表現は、夢の中なんだから、何でも好きな物プレゼントしてくれてもいいのにと思っていたら、そこで目を覚ました。


福引する夢
特等が当たる
ちょっとだけ幸運な事をプレゼント

と書いて、ちょっとため息をついてしまった。夢の中で女の子に言われた、あまり運が良くないでしょと言うのがよみがえってきた。

あの花火の日以来、ちょっとついていない事が続いていた。試験で思っていたところとちょっと違うところが出た、帰りの電車が遅れた、傘を持っていない時に雨が降った、試験の点数が悪くて課題提出となった、などなど、どれも致命的に運が悪かったほどでは無いのだけど、そういうのが続くと気分は落ち込む。普段だったら、気にしないのかもしれないけど、あの花火の日の不運を考えると、それがきっかけだったのではと思ってしまう。

夢の中に出てきたと言う事は、自分が思っている以上に気にしているのかなと思って、ちょっとため息をついてしまった。夢の中でくらい幸運な事があってもいいのに、それが中途半端だったので、余計にため息をつきたくなった。
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