夢ノコリ

hachijam

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福引する夢

4.

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夏休み初日だから良いか、昨日までは試験が頑張っていたし、とか思ったりするけど、何にもせずに一日が終わろうとしているのを考えると、少し罪悪感も感じていた。

そう言えばと思う。夢の中で長い髪の毛の女の子がちょっとだけ幸運な事をプレゼントして上げると言っていた事を思い出した。何だろう、ちょっとだけ幸運な事とは。あれこれと推測する。今の自分にとっての幸運が何かを考え、そして、ちょっとだけと言う言葉も気になっていた。

そして、何気なくカレンダーを見て、ふと気が付いた事があった。本当に幸運なプレゼントがあるなら、もしかして、そんな風に思ってしまった。一度、思いついてしまうと、そうとしか思えなくなってしまった。時間を改めて確認すると、丁度、ピッタリと言える時間だった。そういうのに気が付いたのも、ちょっとだけ幸運と言えるのかもしれない。すぐに外に飛び出した。

ここ何年も意識していなかった・気が付いたら終わっていたとか、そう言えばと後で思い出す事が多かった。でも、今年はこのタイミングで思い出した。意識をしているからそう感じるのかもしれないけど、今日はやっぱり少し特別な日と言う気がする。何となく楽し気な雰囲気が伝わってくる。分かりやすく浴衣とか着ている人も見かけて、やっぱり、そうなんだなと実感した。

今日は、僕が住んでいるところで行われる花火大会の日だったのだ。子供の頃は一大イベントで、小学生の頃は家族と、中学生になったら友達とで見に行くのが定番だった。他の大きな花火大会と言うのを知らなかった僕にとっては最大の花火大会で毎年楽しみにしていた。

高校生ぐらいになると、もっと大きな花火大会があちこちで行われていると知り、だんだんと地元の花火大会には興味が無くなっていた。ただ、何となく日付だけは毎年覚えていて、完全に忘れてしまうという事も無かったりした。

そして、今年は始まる直前で思い出したのだった。この間の花火大会とは違い、天気の心配は全くなかった。しかも、地元の花火大会なので、良く見える場所も知っていた。自分ひとりで見に行くというのが少し切なかったけど、でも、ちょっとだけの幸運があれば、もしかしてという気持ちもあったのかもしれない。

もう何年も行った事の無い場所だったけど、道は忘れていなかった。見慣れない建物も多くて、随分時間が経っていたんだなと言うのを実感してしまった。でも、迷う事は無かった。そして、その場所にたどり着いた。
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