夢ノコリ

hachijam

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筋肉痛になる夢

5.

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社長が言っていた通り、それから、五分も経たない内に社員の人がやってきて、僕に指示を与える。いつもはその指示を下山さんが聞いて、更に下山さんが僕に指示を与えて仕事が始まる。でも、今日から一週間はその最初の指示を僕が聞かなければならなかった。

下山さんが指示を受けている時に、一緒に話を聞く事もあったので、内容として分からない事は無かった。ただ、自分が直接指示を受けるという事は、その責任は僕にあると思うと、ちょっと緊張してしまった。作業自体はいつもと変わらないのに、いつもとは違った気がしてしまう。

とは、言ってもいつもと同じ作業なので始めてしまえば、それほどは気にならなかった。時間をいつもより少し気にしていたくらいだろうか。でも、作業量が特別に多い事も無く、いつもと同じように終わった。

午前中はそんな感じで終わってしまった。とりあえず、最初なので幾分、緊張していた部分もあったけど、終わってしまえば、いつもと同じでホッとした。少し、暇になると、下山さんがいない分、退屈に思ってしまうところもあったけど、それは仕方ないと思う事にした。

午後に入って、またいくつか仕事を頼まれた。それもいつもと変わらない仕事で、無難にそれらの仕事を終えて、今日の作業ももう終わりかなと思っていたら、少し急ぎ足で社員の人が来た。確か、最近、入社してきた人だ。名前はなんだったけなと思う。さりげなくネームプレートを見て、三戸と言う苗字を思い出した。

「ええっと、…。ごめん、名前何だっけ?」

最初に会った時にお互い紹介されたので、顔は分かっていたのだと思う。でも、僕と同じように名前を思い出せないんだろうなと思った。でも、それだったら僕と同じ様にさりげなくネームプレートを見れば良いのにと思った。僕は自分のネームプレートを指しながら、

「羽田です」

と名乗った。

「そうそう、羽田さん。羽田さん」

何度か言って覚えようとしているみたいだけど、ネームプレートを見る事も無く、本当に覚える気があるのか怪しい気もした。

「申し訳ないんだけど、配送の手伝いしてもらいたくて、頼めるかな?」

仕事だったらやれと言われればやるのにと思ったけど、

「大丈夫ですけど、倉庫はどうしたら良いですか?」

「今日はもう閉めちゃって良いって言ってた。そうそう、一時間か二時間、残業になっちゃうかもしれないけど大丈夫?」

それも今回のバイトの条件だったなと思いつつ、

「はい、大丈夫です」

とすぐに返事した。
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