夢ノコリ

hachijam

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筋肉痛になる夢

6.

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配送の手伝いと言われても、具体的に何をするのかは良く分かっていなかった。安易に返事してしまって、大丈夫だったのかなと少し心配したけど、僕がバイトだと分かって頼んでいるから出来る事なんだろうとも思った。いきなり、ドライバーをやれとか、無茶な事は言われないだろう。荷物を降ろしたり、運んだりするのだろうか。それが真っ先に浮かんだことだ。

力仕事になるんだろうか。そこまで重い荷物は運べないけど、大丈夫なのかなとまた少し心配になる。でも、僕を見て、頼むくらいだから、きっと出来る事なんだろうと、また、自分を納得させた。とりあえず、配送用のトラックに乗るように言われた。僕は倉庫のカギを閉めてから、カギを事務に戻してから、トラックに向かった。すでに三戸さんは運転席にいて、僕を待っていた。僕は軽く頭を下げて、助手席に座る。

「じゃあ、出発するね」

そう三戸さんが軽く言い、トラックは会社を出た。

「あの、どこに行くんですか?」

「ええっとね。…ここだね」

配送先がメモされていた紙を見る。会社名と住所が書かれていた。会社名はピンと来なかったけど、住所を見たら、大体の場所がイメージ出来た。配送先として近いのか遠いのか良く分からなかったけど、三十分は掛からない距離だと思う。単純に往復で一時間、その場で作業に掛かる時間が分からなかったけど、一時間以内で終われば、残業無し、それ以上かかると残業と言う感じだろうか。

「知ってる?」

「場所は何となく分かりますけど、その会社は知らないです」

と、正直に答える。

「そうか…。ま、でも大丈夫でしょ」

その言い方にちゃんと場所を把握しているのか不安になった。でも、社員のドライバーだから心配するのもおかしい気がした。

「あの、配送の手伝いって具体的に何をするんですか?」

「あれ、聞いてない?」

「はい。手伝いを頼むかもしれないと社長に言われましたが、具体的には何も…」

「ああ、そうなんだ。ええっと…ごめん、名前何だっけ?」

やっぱり、覚える気が無いんだろうと思いながら、

「羽田です」

「そうそう羽田さんだよね。大丈夫、もう忘れないから…」

本当だろうかと思うが、声に出しては何も言わなかった。

「羽田さんは、ここのバイト長いの?」

「ええっと、去年の七月からですから、一年過ぎたくらいです」

改めて思い出してみると、それだけの日にちが経っているんだと思ってしまった。

「何だ、ベテランさんなんじゃない。良く続くね。俺なんか、まだ一カ月だけど、辞めたくて仕方ないよ。ははは」

そう三戸さんは可笑しそうに笑った。

どう返事して良いか、分からず、

「はぁ」

とだけ言ってみた。
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