夢ノコリ

hachijam

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筋肉痛になる夢

7.

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その後、会話が続かず、仕事の詳細について聞く事はできなかった。それよりも、三戸さんが道をあまり分かっていない事に驚いてしまった。僕自身、車を運転する訳ではないので、それほど道には詳しくない。でも、それ以上に三戸さんは分かっていないようだった。何となく道が間違っているのではと思い、さりげなく聞いてみたら案の定、間違っていた。悪気が無い感じで笑って誤魔化していたけど、普段、どうしているんだろうと思った。結局、そこに着くまでに一時間ぐらい掛かっていた。近くについても目的の会社が見つからず、うろうろとしてしまった結果だ。

「あー、着いた。ここだここだ」

ようやくたどり着くと、大きな看板があって、そこに目的の会社名が書かれていた。結論だけで考えれば、特別に細い道を通った訳でもなく、何で迷うのか疑問に思ってしまう。だんだん、三戸さんがどういう人なのか分かった気がした。

「じゃあ、荷物、運んで」

と、三戸さんが運転席に座ったまま言う。

「えっ?」

と、思わず言ってしまった。ちょっと怪訝そうな表情を三戸さんがしたので、

「…あの、どうすれば良いんですか?」

と、控えめに聞く事にした。

「うん。だから、荷物を運んで」

と、当然、分かるだろうという感じでまた言った。

「ええっと、どの荷物をどう運べばいいんですか?」

「あれ、配送の仕方って聞いてない?」

さっき、配送の手伝いの仕事の具体的な内容は分かっていないと説明したと思うんだけど、と思いながら、

「はい。配送の手伝いは初めてなんで、分からないです」

と言う。

「そうか、じゃあ、仕方ないね。一回だけ、説明するから覚えてね」

「はい」

そう返事しながら三戸さんがどういう人なのか、より分かった気がした。



配送の手伝い自体は大した仕事では無かった。トラックの荷台から荷物を降ろして、運べば良いだけだ。気を付けなければいけないのが、配送の間違いで、そのために伝票の確認と受け取りの確認をしっかりとする事と注意された。

その会社に届ける荷物と言うのは、小さな箱が二つで重さも大した物では無かった。しかも、特に注意書きもない。倉庫管理の時にも、たまに精密機械と書かれていたり、取り扱い注意とされている物があったりすると、特に慎重になるが、そういうのでも無いようだ。もちろん、ぞんざいに扱うつもりは無かった。

大した手間はかからず、時間にしたら三分も掛からなかったのではないだろうか。もしかしたら、これから何件も同じように回るんだろうか。それだと大変かもしれない。そう思った。
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