166 / 275
筋肉痛になる夢
9.
しおりを挟む
立ち話も何だからという理由で、社長室に案内された。明日もあるから早く帰りたいと思いながら、三戸さんに頼まれた仕事についての疑問が解けるかもしれないと思い、ついていく事にした。
「ごめんね。呼び止めて」
僕が早く帰りたがっているのを察してか、そう言った。
「いや、大丈夫です」
と、無難に答える。
「やっぱり、一日だと大変でしょ」
こういう時に優等生的に答えるにはどうしたら良いんだろうと思ったけど、すぐに思いつかなかった。
「忙しい時には、たまにありますから、大丈夫です」
結局、そんな風に答えた。
「そうか、若いから大丈夫か。ははは」
「はぁ」
早く本題に入ってくれないかなと少し思ってしまった。
「それでね」
僕の表情から察したのか、ようやく本題に入った。
「三戸君はどうだった?」
と、さっきと同じ様に聞かれた。どうと言われてどう答えたら正解なんだろうか。単純に感じたことを言えば、いい加減な人だと思ってしまったけど、それをそのまま言って良いのだろうか。
「すいません。良く分からないんですが…」
と、曖昧に答える。実際、まともにしゃべったのはさっきが初めてだから、その印象だけで言っていいのか分からなかった。
「うん。まあ、そうだよね…」
雰囲気から察すると、どういう感じなのかは、社長本人も分かっているのだろう。
「今日、一緒に配送に行ってもらったでしょ。その時の様子を詳しく教えてもらいたいんだ」
やっぱり、そうなんだろうなと思いながら、どういうべきか悩む。悪く言うのは簡単だけど、それで良いんだろうか。結局、あった事を出来るだけ正確に淡々と伝える事にした。悪口にならないように、自分がどう思ったのかは言わなかった。でも、時間がかかった事や、配送を僕がしたというのは、ちゃんと伝えた。僕自身、疑問に感じていた部分もあったので、あんまりフォローする気にはなっていなかったのかもしれない。
「そうか…」
僕の話を聞いて、社長が考える。
「あの、三戸さんが何か?」
「うーん。そうだね…。まあ、気にしないで…」
と歯切れが悪かった。はっきりしないなとちょっと不満を感じる。
「まあ、そうだね。いろいろ聞いて、説明しないのもあれだね。一応、ここだけの話にしといてね」
そう言うと、声を潜めて社長が事情を説明してくれた。
「実は三戸君に対して、あちこちから苦情が来ていて、困っているんだよ」
大体、想像していた通りの説明で、特別に驚きましなかった。どちらかと言えば、やっぱりと思ってしまった。
「ごめんね。呼び止めて」
僕が早く帰りたがっているのを察してか、そう言った。
「いや、大丈夫です」
と、無難に答える。
「やっぱり、一日だと大変でしょ」
こういう時に優等生的に答えるにはどうしたら良いんだろうと思ったけど、すぐに思いつかなかった。
「忙しい時には、たまにありますから、大丈夫です」
結局、そんな風に答えた。
「そうか、若いから大丈夫か。ははは」
「はぁ」
早く本題に入ってくれないかなと少し思ってしまった。
「それでね」
僕の表情から察したのか、ようやく本題に入った。
「三戸君はどうだった?」
と、さっきと同じ様に聞かれた。どうと言われてどう答えたら正解なんだろうか。単純に感じたことを言えば、いい加減な人だと思ってしまったけど、それをそのまま言って良いのだろうか。
「すいません。良く分からないんですが…」
と、曖昧に答える。実際、まともにしゃべったのはさっきが初めてだから、その印象だけで言っていいのか分からなかった。
「うん。まあ、そうだよね…」
雰囲気から察すると、どういう感じなのかは、社長本人も分かっているのだろう。
「今日、一緒に配送に行ってもらったでしょ。その時の様子を詳しく教えてもらいたいんだ」
やっぱり、そうなんだろうなと思いながら、どういうべきか悩む。悪く言うのは簡単だけど、それで良いんだろうか。結局、あった事を出来るだけ正確に淡々と伝える事にした。悪口にならないように、自分がどう思ったのかは言わなかった。でも、時間がかかった事や、配送を僕がしたというのは、ちゃんと伝えた。僕自身、疑問に感じていた部分もあったので、あんまりフォローする気にはなっていなかったのかもしれない。
「そうか…」
僕の話を聞いて、社長が考える。
「あの、三戸さんが何か?」
「うーん。そうだね…。まあ、気にしないで…」
と歯切れが悪かった。はっきりしないなとちょっと不満を感じる。
「まあ、そうだね。いろいろ聞いて、説明しないのもあれだね。一応、ここだけの話にしといてね」
そう言うと、声を潜めて社長が事情を説明してくれた。
「実は三戸君に対して、あちこちから苦情が来ていて、困っているんだよ」
大体、想像していた通りの説明で、特別に驚きましなかった。どちらかと言えば、やっぱりと思ってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる