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筋肉痛になる夢
10.
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社長の説明を簡単にするとこういう事である。仕事に対して、やる気が感じられない。それが分かりやすく態度に出ている事が何よりも問題だった。
まず、遅刻が多い。朝、決められた時間に来ない事があるのだそうだ。更に道を覚えない。配送ドライバーなんだから、ちゃんと道を覚えて欲しい。そして、荷物の扱いが雑だというのだ。まだ、ここに来てから一カ月だから慣れていないというのは分かるけど、それにしても仕事に臨む態度と言うのがあるだろうというのが、社長の言い分だった。
何だろう、最初は控えめに話していた社長だったが、途中から溜まっていた鬱憤を晴らすように止まらなくなっていた。どちらかと言えば、温厚その物の社長がここまで怒るというのはよっぽどなのだろうか。社長の性格から考えると、周りから苦情を言われても、まあまあとなだめたり、三戸さんに対しても注意はしてもそれほど強くは言えないとかで、ストレスを感じているのかもしれない。僕にぶつけられても困ると思いながら、社長の話が終わるのを待った。
「ああ、ごめん。ちょっと興奮しすぎた」
ようやく一通り言い終わって、ちょっと冷静になったのか、社長が言った。
「それで、下山君に指導をお願いしたんだけど、なかなか上手くいかなくてね」
「はぁ」
「年齢的な事もあるのかな。三戸君の方が上だから。しかも、下山君はバイトでしょ。それもまた、三戸君は気に入らないみたいで…。いや、僕は下山君がバイトだからどうこうというのは無いよ」
最後に付け足しのように言う。給料とか、待遇とか、その辺の難しい所は分からないけど、少なくとも仕事に関しては、社長や社員の人が下山さんに一目置いている事は間違いなかった。だから、正社員の誘いをしているのだろうとも思う。だから、社長がそうフォローしなくても分かっているつもりだ。
ここでひとつ疑問に思ったことがある。ここまでの社長の言い分を聞くと、三戸さんに、全てかは分からないけど、大部分の責任があるのではと感じた。恐らく社長もその事は分かっているはずだ、でも、どうして、それをはっきりと言わないのだろう。社長らしいと言えば、社長らしいのだけど、それだったら、どうして、僕をここに呼んだのか疑問に思った。
ただ愚痴を言いたかっただけなんだろうか。それだったら、それで、面倒で嫌な気分にはなりそうだけど、バイト代のボーナスに含まれていると思えば、我慢できる気もした。でも、そうじゃない事はすぐに分かった。
まず、遅刻が多い。朝、決められた時間に来ない事があるのだそうだ。更に道を覚えない。配送ドライバーなんだから、ちゃんと道を覚えて欲しい。そして、荷物の扱いが雑だというのだ。まだ、ここに来てから一カ月だから慣れていないというのは分かるけど、それにしても仕事に臨む態度と言うのがあるだろうというのが、社長の言い分だった。
何だろう、最初は控えめに話していた社長だったが、途中から溜まっていた鬱憤を晴らすように止まらなくなっていた。どちらかと言えば、温厚その物の社長がここまで怒るというのはよっぽどなのだろうか。社長の性格から考えると、周りから苦情を言われても、まあまあとなだめたり、三戸さんに対しても注意はしてもそれほど強くは言えないとかで、ストレスを感じているのかもしれない。僕にぶつけられても困ると思いながら、社長の話が終わるのを待った。
「ああ、ごめん。ちょっと興奮しすぎた」
ようやく一通り言い終わって、ちょっと冷静になったのか、社長が言った。
「それで、下山君に指導をお願いしたんだけど、なかなか上手くいかなくてね」
「はぁ」
「年齢的な事もあるのかな。三戸君の方が上だから。しかも、下山君はバイトでしょ。それもまた、三戸君は気に入らないみたいで…。いや、僕は下山君がバイトだからどうこうというのは無いよ」
最後に付け足しのように言う。給料とか、待遇とか、その辺の難しい所は分からないけど、少なくとも仕事に関しては、社長や社員の人が下山さんに一目置いている事は間違いなかった。だから、正社員の誘いをしているのだろうとも思う。だから、社長がそうフォローしなくても分かっているつもりだ。
ここでひとつ疑問に思ったことがある。ここまでの社長の言い分を聞くと、三戸さんに、全てかは分からないけど、大部分の責任があるのではと感じた。恐らく社長もその事は分かっているはずだ、でも、どうして、それをはっきりと言わないのだろう。社長らしいと言えば、社長らしいのだけど、それだったら、どうして、僕をここに呼んだのか疑問に思った。
ただ愚痴を言いたかっただけなんだろうか。それだったら、それで、面倒で嫌な気分にはなりそうだけど、バイト代のボーナスに含まれていると思えば、我慢できる気もした。でも、そうじゃない事はすぐに分かった。
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