夢ノコリ

hachijam

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筋肉痛になる夢

11.

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「申し訳ないんだけど、明日から、三戸君と一緒に配送の方に回ってくれない?」

「…」

バイトの仕事なので、指示されれば、その通り働くんだけど、わざわざ、その事を聞いてきたのは、一連の出来事があるからだろう。端的に言えば、断りたいと思った。でも、こうやって直接頼まれると嫌とは言えない気もする。

「あの、倉庫の方は?」

暗に嫌ですと言う意味を込めて言ってみる。

「ああ、そっちは大丈夫。人手が足りなかったら、僕が手伝うから」

あっさりと却下される。断らないよねと言われている気がした。

「ええっと…」

何か理由が無いかなと思って考えていたら、

「本当、お願い」

と頼まれてしまった。何でこんなに熱心に頼まれるだろう。

「…分かりました」

これ以上、粘っても不毛な気がしてそう返事をした。

「本当、頼むよ。ダメだったら下山君が辞める事になるかもしれないから…」

「どういうことですか?」

急に最後に衝撃的な事を言われて僕は驚いてしまった。



「はぁ」

会社を後にした時に、僕は大きなため息をついてしまった。何だか、重大な仕事を頼まれた気がする。いや、気がするではなく、頼まれたのだった。

ついさっきの倍以上の疲労を感じていた。社長が言っていた事を思い出す。何でも、下山さんが休みに入る直前に、下山さんと三戸さんの間で口論があったそうだ。詳しい事は良く分からなかったようだけど、仕事に対する姿勢について、下山さんがいくつか注意したらしく、それに対して、三戸さんが怒った事が発端だったらしい。

その場は他の社員の人が間に入って治めたらしいけど、その直後に下山さんが社長にこのままだったら、この仕事をやっていけないと直訴したらしい。そして、休みが終わった後でも状況が変わらなければ、自分にも考えがあると言っていたという。

それでどうしようかと考えた時に、僕の事を思い出したようだ。それで、今日、試しに一緒に配送をさせたという事のようだ。試しと言うのはある意味で正しかったという事になる。その様子を聞いて、これなら任せられると考えたのだと言った。本当に?ただ、面倒を僕に押し付けたいだけなのではと思ったけど、このままじゃ下山さんが辞めると聞いては出来ないと断る事も言えなかった。でも、僕が一緒にいるだけで、状況が変わるのだろうか。その責任を僕に押し付けられても困ると思った。

「きっと大丈夫だから」

最後に根拠もなく言われた事を思い出して、また、ため息をつきたくなった。
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