夢ノコリ

hachijam

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重い荷物を背負っている夢

3.

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「おはようございます」

と軽く頭を下げて挨拶する。

「おはよー。今日もよろしくねー」

僕と一緒に配送するのはもう当たり前と言う感じで軽く挨拶してくる。僕はもう一度頭を下げて、

「よろしくお願いします」

と言った。

「これ、今日の配送先です」

三戸さんに今日の配送先が書かれている紙を渡す。

「あー、はい」

三戸さんは紙を受け取り、目を通す。事務の人が三戸さんに気づき、今日の配送の説明をする。三戸さんは軽く聞き流すという感じだ。ベテランの社員の人であったら、それで何の問題も無いんだと思うけど、三戸さんの場合、本当にただ聞き流すだけなので、厄介だった。僕の気になっていた場所に間違えないように気を付けた方が良いと言っていたけど、三戸さんはちゃんと理解しているのだろうか。事務の人も半分諦めている感じで、特別に強くは言わなかった。僕がいるから大丈夫と思われているのだろうか。それはそれで嬉しいような悲しいような気分になる。

「じゃあ、行こうか」

「あっ、はい」

こんな風にして三戸さんとの仕事が始まる。



配送を始める前、荷物の確認をする。配送リストと荷物を確認して間違いが無いようにチェックする。三戸さんと一緒に仕事をするようになって思った事のひとつとして、倉庫での作業の重要さと言うのがある。忙しい時には別として、暇な時もある倉庫管理がどれだけ、会社の役に立っているんだろうと思う事があったのだが、それは思い違いだった。倉庫で品物がちゃんと管理されているから、配送の作業がスムーズに行えるんだと実感した。それが三戸さんと一緒に仕事をして、気が付いた嬉しい事でもあった。

もう少し、こうしたら、配送の時に楽になるかもと思ったり、この部分はそこまで気にならないんだなと言う発見があったのも面白かった。下山さんが戻ってきたらいくつか作業のやり方を提案してみても良いかもしれないなんて事も思っていた。でも、その下山さんが働き続けるかは僕に掛かっているかもしれないんだと思うと、また、少し疲れた気分になってしまった。

荷物を確認すると少し大きめの物がひとつあった。精密機械、取り扱い注意と書かれていて、慎重に扱う必要があるようだ。その他はこれと言って変わったのはなかった。荷物の確認も終わり、三戸さんに報告する。三戸さんも一緒に確認するべきなのではと思うけど、僕一人でやった方が早いし、間違いがないとも思った。そういうのが当たり前になっているのはどうなんだろうと思いながら、僕はトラックの助手席に乗った。

「確認、終わりました。大丈夫です」

「よし、じゃあ、出発だ」

トラックがゆっくりと走り出した。
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