夢ノコリ

重い荷物を背負っている夢

２．

単純に今日は面倒だから、バイトを休みたいな、サボりたいなと言う気持ちになる事はたまにはある。でも、バイトとは言え、お金貰って働いているんだからと思うと、そういう訳にはいかないなと思うし、そこまで、サボりたい気持ちが強い訳では無かったりするので、結局は何事もなく、バイトに向かう。でも、ここ何日かの事を考えると、今日は本当に休みたいと思ってしまった。

とは言え、休むなんて事、僕の性格を考えれば出来ない。だから、あれこれと考えずにすむのはありがたかった。それでも、ため息は出るし、家を後にして、バイト先に向かう途中のちょっとした瞬間には考えてしまう事もあった。

三戸さんの配送の手伝いをするようになって、三日が過ぎ、今日が四日目だ。三戸さんとの仕事は思っていた通り、大変だった。一応、配送の手伝いと言うこと自体だったが、実際には三戸さんのサポートと言うか、面倒を見る係と言う感じだろうか。

まず、朝、ちゃんと来ているかを確認して、来ていなかったら、連絡する必要がある。今日はまだ来ていないようで、時間を見たら、連絡した方が良さそうだ。連絡したら、今、起きたと言っていた。

近所に住んでいるようで、連絡すれば一応すぐに来るのだが、その間にただ待っているだけではダメで、その日に三戸さんが周る所を事前に確認しておく必要がある。三戸さんの状況や僕がそこまで道に詳しくない事は配慮されていて、比較的、近場で場所が分かるところになっているので、地図を見ればどうにかわかる。

ここでしっかりと確認しておかないと、大変な事になるのは最初の日に実感していた。道を覚えない三戸さんは事務の人が道順をちゃんと説明しても聞いていないようで、すぐに道を間違えてしまうのだ。僕が代わりに聞いて理解しておかないと迷う事になってしまう。

三戸さんが来た後だと、時間ギリギリでバタバタしてしまうので、待つ間にすませておいた方が良い。荷物についての注意点もその時に聞く。僕が運転出来れば、僕一人で配送したほうが効率的なのではと少し思ったりしたけど、僕はバイトなので、指示された事に従うだけだ。あくまで三戸さんの配送の手伝いをするというのが今の僕の役目だと自分を納得させる。

今日は少し遠めの場所だった。その分、数は少なく、道に迷わなければ、近場でいくつも回るよりは楽なのかもしれないと思った。あくまで道に迷わなければという条件付きだけど…。ひとつのところが、一方通行の関係で少し複雑になっているのが不安だった。最初のところを間違えなければ、大丈夫だよと言われたけど、そこを間違えると、戻るのが結構、大変になるそうだ。そうならない事を願っていたら、三戸さんがやってきた。