夢ノコリ

hachijam

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凍える夢

8.

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金色のカギの事も考えた。どこにそのヒントがあるのだろうか。

(いやいやいや)

夢と現実が混ざっているような気がして、苦笑いしてしまった。でも、あの花火の日に見たのは、誰だったのかと考えてしまった。

(多分、見間違いだろう)

確率としては99%、いや、100%と言っても良いと思う。それがまともな答えだ。でも、もしかしたらと思っている自分がいる。それは願望と言う方が正しい。その可能性が、百万分の一、いや、もっと小さいかもしれないけど、あるのではと思ってしまった。

少し冷静に考えてみよう。もし仮に、夢の中に出てくる髪の長い女の子が実在するとしたらどういう事なんだろうか。そして、単純な事に気が付く。もしかして、僕はその髪の長い女の子を現実で知っているのかもしれないと思った。

すぐにそれが誰かは浮かばなかったがその可能性はあるかもしれないと思った。いや、その可能性しかないと思った。そう考えると、金色のカギの事も何となく理解できる気がしてきた。その女の子は、僕の記憶の中で、金色のカギと結びつく物なんだ。全てが僕の夢の中で、僕の頭の中の記憶が作り上げているならば、それが一番分かりやすい答えだった。

僕は、その女の子の事を思い出したい。でも思い出せない。でも、金色のカギをきっかけにすれば、思い出せると思っているんだと理解した。何だか、思いついてみれば、そんなものかと思う。ひとつも不思議な事は無くて、安心したようながっかりしたような気がした。

これまで見た夢の中にヒントがあるんだろうか。そう思いながら、夢日記を読み返す。断片的に書かれている文字を見て、夢を思い出す。はっきりと思い出せるものもあれば、曖昧で記憶に残っていないものもある。

共通点はどこかにあるんだろうか。あるような気もするし、無いような気もしてきた。

「ふーっ」

ちょっと考え事をしたら、何か疲れてきた。精神的にと言う感じだ。そう思うと、また、頭痛がしてくる気がする。やっぱり、まだ油断してはダメなんだなと思う。だから、あんまり悩まないですむことを考える事にする。

もし、女の子に会えるとして、僕はどうしたいのだろうか。そういうのを考えると、ドキドキとしてしまった。何だろう、変な事を考えてしまいそうだ。女の子はどう思うのだろうか。僕に会いたがっているのだろうか。夢と全然違っていたらどうしよう。夢でも少し意地悪なところもあるけど、もっときつかったらどうしよう。そういうのを想像していると、少し楽しい気分になったけど、何だかやけに恥ずかしくなってしまった。まるで中学生みたい、大して精神年齢が成長しているとも思えない僕だったけど、そんな事を思った。
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