夢ノコリ

hachijam

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迷路に迷い込む夢

7.

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その後、少し仕事が入ったので、その会話は中断となった。所詮、暇な時にする話題でしかないから、当然、仕事に集中した。そろそろ、今日の仕事も終わりかなと思っていたら、三戸さんがやってきた。わざわざ、何で来たんだろうと思ったけど、倉庫に用事があったようだ。下山さんに話を聞いていた。その話の後、

「どう?」

と聞かれた。さっきの話の続き何だろうなと思うけど、どうと言われても、困るなと思う。この短時間で何かある訳ないだろうと思う。単純にからかいたいだけなんだろうなとも思う。格好の材料を与えてしまったようだ。このまましばらくは言われ続ける事を覚悟しないといけないのかもしれない。

「はあ」

だから、そんな風に曖昧に答えた。

「ダメだよ。そんなんじゃ、嫌われちゃうよ」

ニヤニヤしている。下山さんも三戸さんの様子を見て、さっきの話だと思ったようだ。ちょっと苦笑いしているけど、助けてくれる気はないみたいだ。時間だからと言って、帰ろうかなと思ったら、社長がやってきた。

「ああ、良かった。まだいた」

僕の顔を見て言う。どうやら、僕に用事があるようだ。

「また、急で悪いんだけど…」

そういうと、来週また一週間来てくれないかと言う。事務の人が夏休みで、人が足りないのだという。事務の仕事を手伝うのか気になったけど、そういう事では無く、僕自身は前回と変わらず、基本的には倉庫で、場合によっては配送の手伝いと言う事らしい。社長直々に頼まれると断われないし、バイト代としては美味しいなと思う。夏休み後半を考えれば、懐は温かい方が良い。でも約束が入るかもしれないと考えていたら、

「ダメですよ。羽田さん来週は大事な用事があるから」

と、三戸さんが言った。

「あ、そうなの。…うーん、どうしてもダメ?」

本当に困っているなと思う。まだ、確定した約束じゃないし、忙しくなったと出かける用事を別日にしてもらっても良いのかなと少し思った。

「ダメですね。何しろデートですから」

僕が答える前に三戸さんが断言した。

「えっ、そうなの、それはしょうがないな。じゃあ、そのデートの日以外は?」

「それだったら、大丈夫なんですけど、まだ日にちが決まってなくて…」

三戸さんに乗せられるようにそう言ってしまった。

「そうか…。どうしようかな…」

社長は困っている。そして、少し考えた後、

「それじゃあ、デートの約束が決まったら、その日は休んでもらって、それ以外は出てもらうとか出来ないかな?」

と言った。意外と粘るなと思った。
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