夢ノコリ

hachijam

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雨が降りそうな夢

2.

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昨日は、夜、遅くの連絡だったので、まだ、バイト先に連絡はしていない。とりあえず、その件を済ませないといけない。ちょっと、緊張する気もしたし、やはり、どこか後ろめたい気分もあったけど、約束だからと思い連絡してみた。社長がすぐに出た。この時間だと、社長が出る事が多いのだろうか、この間の事もあって、そんな事を考える。社長は僕からの電話だと分かるとすぐに事情を理解してくれて、じゃあ、頑張ってねとなぜか励まされた。何を頑張るんだろうと思ったりしたけど、問題なく連絡出来てホッとする。

結局、予定は立てられないでいた。まさか、昨日の今日で出かける事になるとは思っていなかったからだ。二、三日前には連絡があると思ったけど、そうでは無かった。でも、その分、言い訳は出来ると思ったし、実際、準備しろと言われても何を準備して良いのか戸惑ってしまうのではと考えると、直前で連絡してきてくれた方がありがたかったかもしれないと思う。

変な風に気負う必要もないだろう。何しろ、急なんだから。そういう言い訳が出来る事にやっぱりホッとしていた。とは言え、約束の時間に遅れるのはまずいと思い、すぐに向かう事にする。地元の駅での待ち合わせで、そこから電車に乗って三十分ぐらいのところに出かける予定になっている。それ以外の事は、僕は知らない。映画と言う話はしていたが、何の映画かも聞かされていない。

それが決まっているのかどうかも良く分からなかった。その辺もお任せで良いだろう。一応、何を見に行くと言われたらどうしようかなと少し考えてはいたけど、正直、適当な物が思い浮かばず、そう聞かれたら困るだろうなと考えていた。

後はなるようになれだと思う。それでダメだったらしょうがない。何がダメになる事を恐がっているのか、良く分からなかったけど、そう思った。そうあくまで映画を見に行くだけの事だ。出来れば、楽しめれば良いけど、それだけの話だと平静を装う事にした。

地元の駅での待ち合わせなので、時間の感覚は掴みやすい。映画の時間はあるのかもしれないけど、そこまできっちりとはしていないと思ったので、約束の時間の五分前につくように家を出て、丁度、その時間に着いた。もう来てたりするのかなと思ったけど、姿は見えなかった。時計を確認して五分前だと思う。少しボーっとしながら待っていたけど、地元の駅なので、知っている人の姿を見るかもしれないと思った。そうなったら恥ずかしいかもと少しだけ思った。
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