夢ノコリ

hachijam

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雨が降りそうな夢

4.

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その声の方を向くと、息を切らしている赤岡さんの姿があった。泣き笑いのような表情を浮かべていて、どこかホッとしているようにも見えた。ええっと、待ち合わせに遅れたのをそんなに申し訳なく思ったのだろうか。たかが十分で、気持ち的にはかなり待たされていた気分だったけど、赤岡さんの姿を見たら、そういうのはすぐに忘れて、そんな風に思った。でも、そう言ったのは、僕に対してでは無くて、男の子に対してだった。

「ダメでしょ。勝手に出かけちゃ。心配するでしょ」

軽くパニックになる。どういう事なんだろう。

「さあ、帰るよ」

今度は怒ったような口調になる赤岡さん。僕はどうしたら良いんだろう。

「やだ」

男の子はそう言う。男の子の方が今度は泣きそうになっていた。何となく怒られている男の子がかわいそうに思ってしまい、

「どうしたの?大丈夫?」

と声を掛けた。

「あー、遅れてごめんなさい。ちょっと待ってて、すぐにすむから」

僕の事を思い出したように言う。でも、男の子は

「やだったら、やだ」

と何とも分かりやすい駄々っ子のセリフを吐く。僕は苦笑するが、赤岡さんはますます怒っているようだった。

「やだじゃないでしょ」

「まあまあ、落ち着いて。周り人いるから、どうしたの?」

赤岡さんは僕の言葉でようやく少し落ち着いたようで説明を始める。その前に、男の子に

「お前のせいだ」

と言われる。何が僕のせいか分からなかったけど、事情を聞いたら何となく分かった。それはこんな感じだ。ちなみに男の子の名前は勇君で、小学校四年生らしい。この勇君、赤岡さんのいとこの子らしく、甥っ子、姪っ子のような正式な呼び方は分からないけど、要するに仲の良い親戚の子で、夏休みに遊びに来ているらしい。夏休みなので、張り切って一人で遊びに来たのだそうだ。そして、赤岡さんと遊べると思っていたようだけど、その赤岡さんが出かけると聞いて、自分もつれて行けと駄々をこねたらしい。

なるほど、確かにそれは僕のせいもあるかもしれない。でも、それだったら、今日、わざわざ、僕を誘う必要はなかったのではと思った。それを察してか、その辺の事情も説明してくれた。どうやら、今日は赤岡さんの親が勇君の相手をする事になっていたそうで、それだったらと自分は大丈夫と思い、僕とした約束を思い出し、映画に誘ったそうだ。

でも、勇君は赤岡さんも一緒に出掛けると思っていたようで、朝になってその事を知って駄々をこね始めたそうだ。それでひと悶着あり、家を出るのが遅れ、しかも、気が付いたら、勇君は外に飛び出していたそうで、それで探すのに時間が掛かったそうだ。どうやら、勇君は待ち合わせ場所の話を聞いていたらしく、ここに来たようだ。いろいろと話しの辻褄があって、なるほどと思ってしまった。
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