夢ノコリ

hachijam

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嘘をつく夢

6.

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「どういう格好?」

「うーん。そうだな、ピンクとか、水色とか、パステルカラーのシャツに帽子とか?」

「…」

イメージが浮かばない。いや、正確に言えば、何となくは分かるけど、自分が着ている姿が思い浮かばなかった。どちらかと言えば、黒とか、茶色とか、そういう落ち着いた雰囲気の色の方が僕の好みだ、というか、無難だと思っている。

「よし。可愛い系をアピールしよう」

僕の返事が無い事をどう思ったのか、分からないが赤岡さんがそう決めてしまいそうだった。慌てて、

「あの、僕って可愛い系なんでしょうか」

なんて、聞いてしまった。一瞬の間、赤岡さんと見つめ合ってしまった。瞬間、お互いに笑いが堪えられなくなった。

「うんうん。可愛い可愛い」

赤岡さんが茶化すように言う。

「本当に?」

半分やけになっているのかもしれない。僕も満更でも無いように言ってしまった。

「じゃあ、私がコーディネートしてあげる」

そう言われてしまった。

「分かった。任せる」

僕は覚悟を決めて言う。それで決まってしまった。良かったんだろうかと後で後悔する事になりそうだけど、きっと大丈夫だろうと納得する事にした。僕のセンスよりは良いだろう。多分。

「ここまでやると、負けたくなくなってくるね」

と、ちょっと怖い事を言ってきた。思わず、頷きそうになったけど、危険な感じがしたのでやめておく。

「せっかく、真剣にやるんだから、本格的に目指すのはどう?」

そういう方向に話が進むきっかけなんてあっただろうか。振り返ろうとしたけど、赤岡さんの勢いは止まらない。

「だって、岬が関わっているから、小浜君は本気でやってくるよ。美加だって、何だかんだで三ヶ嶋君の事自慢したいから、張り切る気がする」

いや、そうかもしれないけど、僕はと言いかける。でも、赤岡さんはその言葉を許さない。

「そうだ、そうだ。申し込む人はみんな真面目にやるんだから、私たちも頑張らないと」

完全にスイッチが入ってしまったようだ。

「でも、人数合わせなんでしょ?」

どうにかブレーキを掛けようとする。

「もう、関係ないよ。やるからには一番上を目指さないと。私も推薦するからには頑張って欲しいし」

でも、無視してアクセル全開と言う感じだ。こういう展開になると分かっていたら、絶対に拒否したのにと思うけど、誰がこうなると想像できたんだろうか。少なくとも僕は出来なかった。

とりあえず、落ち着けと自分に言う。どうにか赤岡さんを説得して、無難な所に落ち着かせなければいけない。そうしないと、大変な事になりそうな予感がした。
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