夢ノコリ

hachijam

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遅刻する夢

2.

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場面は一瞬で切り替わる。気が付くと電車に乗っていた。ドアに寄りかかるように立っていた。普段はラッシュの時間帯なのだが、その時間帯だからかやたらと空いている。満員電車で無い事にホッとしたが、今度はあまりにも空き過ぎている事に気が付くと。自分以外の誰も乗客がいない。

普段なら、そんな事はないのにと思い、少し不安になる。もしかしたら、今日は休みの日ではないかと思う。これだけ人がいないとそう考える方が自然だ。ただ、電車は動いていて、この電車が動いているという事は学校があるという事に間違いはないはずだと思い直す。

景色を見たら、見慣れない高い所を電車が走っている気がした。こんなところいつも走っていたかなと思う。そして、途端に不安に思う。この電車はどこに向かっているんだろうと。時計を見たら、二時間目はすでに始まっている時間だった。間に合う時間の電車に乗ったはずなのにいつまでもつかない電車はどこに向かっているのだろうか。寝過ごしたのだろうか。そんな事を思ったけど、向かっている先は終点のはずだった。終点に気が付かずに、折り返してしまったとは思えなかった。

ガタっと音がなり、急に電車が止まる。その勢いで身体が少しよろける。危ないと思い、ドアに手を添えて倒れないようにした。急ブレーキで電車が止まったようだった。止まった電車の中で、ゆっくりと力を抜いて元のように立っていた。ふと気配を感じた。気になって座席の方を向いたら、女の子が一人そこに座っていた。さっきまではいなかった女の子だった。

長い髪の毛で表情を隠している。見たことはない女の子だったが、僕と同じ高校の制服を着ていた。彼女も遅刻したのだろうか。突然、現れた事も気にならず、そんな事を思う。その女の子がいるという事は、学校に行く電車だという事は間違っていないのだろうと思った。同じ学年の子かなと思った。それだったら、話しかけてみるのも良いのかもしれないと思った。

「あの…」

あまり、こういう場面で自分から話しかける事はしない。でも、そういうのが恐る恐るでも出来たというのは、夢だったからなのかもしれない。声を掛けられたことに女の子はちょっと驚いたようだった。表情は相変わらず見えないままだったけど、何となく戸惑いは感じられた。

「学校間に合う?」

なんか間抜けな事を聞いてしまった気がする。もう遅刻が確定の時間だ。そんな事を聞かれても困るだろう。次に続けるべき言葉を僕は一生懸命考えた。
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