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遅刻する夢
6.
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結局、講義開始の10分前と言う時間に大学に着いた。今から、何かをやるというのは無理だなと思う。多少、情報収集が出来れば良いかなと思い教室に向かった。もうすでに半分ぐらいは席が埋まっていて、これから一気に増えていくだろう。この講義に出席する学生は多い。出席は取らない講義だったが、課題が多く、講義に出る事がほとんど必須と言う内容だったからだ。
いつもの見知ったメンバーを探す。そんな僕に気が付いたのは、充だった。こっちと言う感じで軽く手を挙げた。僕はその方向に向かった。隣の席が空いていたので、座る。
「課題どうした?」
僕が知りたかった事をそのまま聞いてくる。
「どうしようか考え中。充は?」
「同じく」
と言うような会話が続いた。小浜充。それが充の名前だ。どちらかと言うとギリギリまで課題をやらないタイプの充だったらそう答えるだろうなとは思った。だから、先に課題の事を聞かれた瞬間にあまり期待はしていなかった。
「おー」
そう言いながら僕の横の席に座ったのは、三ヶ嶋君だった。三ヶ嶋君はだるそうに、そんな風に声をかけてくる事が多い。本人にとっては、挨拶のつもりらしい。三ヶ嶋徹と言うのが彼のフルネームだ。
「羽田、課題は?」
ちなみに羽田は僕の名字、羽田篤郎と言う名前がフルネームだ。僕は苗字で呼ばれる事が多い。
「まだ。三ヶ嶋君は?」
こういう課題をあっさりと片づけている事が多い三ヶ嶋君にちょっと期待する。充もそんな雰囲気を漂わせていた。その期待を知ってか、知らずか首を横に振る。
「なんか、やらないといけないんだよなと思いつつ、寝てしまいました」
少しがっかりする僕と充。その様子を分かっているのかどうか分からないまま、三ヶ嶋君は続ける。
「まあ、今日の講義は大丈夫でしょう。終わったら図書室よって、どうするか考えるわ」
「仕方ない、そうするか」
何が仕方ないのか分からなかったが、充の一言でその会話は終わった。
「なんか、変な夢見てさ…」
三ヶ嶋君がそう新しく会話を始めようとした瞬間、チャイムが鳴り、それと合わせて、教授が教室に入ってきた。この教授は毎回、チャイムと同時に入ってくるが、わざわざ教室の前で待ち構えているのだろうか。そんな事を毎回思わせるが、その時も同じだった。そして、そのせいで、その会話は一旦中断する事になる。
講義が始まると、一応、学生らしく講義に集中する。結局、その日の講義中、課題について問われる事は無かった。ただ、講義の最後にその課題について説明があった。どれくらい大事な課題で、単位が取れるかどうかはこの課題次第と言うプレッシャーを掛けられた。結果、僕たち三人は講義後、図書室に向かう事になる。
いつもの見知ったメンバーを探す。そんな僕に気が付いたのは、充だった。こっちと言う感じで軽く手を挙げた。僕はその方向に向かった。隣の席が空いていたので、座る。
「課題どうした?」
僕が知りたかった事をそのまま聞いてくる。
「どうしようか考え中。充は?」
「同じく」
と言うような会話が続いた。小浜充。それが充の名前だ。どちらかと言うとギリギリまで課題をやらないタイプの充だったらそう答えるだろうなとは思った。だから、先に課題の事を聞かれた瞬間にあまり期待はしていなかった。
「おー」
そう言いながら僕の横の席に座ったのは、三ヶ嶋君だった。三ヶ嶋君はだるそうに、そんな風に声をかけてくる事が多い。本人にとっては、挨拶のつもりらしい。三ヶ嶋徹と言うのが彼のフルネームだ。
「羽田、課題は?」
ちなみに羽田は僕の名字、羽田篤郎と言う名前がフルネームだ。僕は苗字で呼ばれる事が多い。
「まだ。三ヶ嶋君は?」
こういう課題をあっさりと片づけている事が多い三ヶ嶋君にちょっと期待する。充もそんな雰囲気を漂わせていた。その期待を知ってか、知らずか首を横に振る。
「なんか、やらないといけないんだよなと思いつつ、寝てしまいました」
少しがっかりする僕と充。その様子を分かっているのかどうか分からないまま、三ヶ嶋君は続ける。
「まあ、今日の講義は大丈夫でしょう。終わったら図書室よって、どうするか考えるわ」
「仕方ない、そうするか」
何が仕方ないのか分からなかったが、充の一言でその会話は終わった。
「なんか、変な夢見てさ…」
三ヶ嶋君がそう新しく会話を始めようとした瞬間、チャイムが鳴り、それと合わせて、教授が教室に入ってきた。この教授は毎回、チャイムと同時に入ってくるが、わざわざ教室の前で待ち構えているのだろうか。そんな事を毎回思わせるが、その時も同じだった。そして、そのせいで、その会話は一旦中断する事になる。
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