夢ノコリ

hachijam

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上京する夢

8.

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講義が休みになったとはいえ、その次にもうひとつ講義が残っていた。そのため、そのまま帰るという事にはならなかった。三ヶ嶋君は課題を少しでもやっておきたいと言っていたのだが、そこは充の熱意に負けたようだ。僕はと言うと、特に何をしようとも考えていなかったが、ここまで来ると充の夢が本当に正夢になるのか確かめたいという気持ちになっていた。

ひとつだけ気になっていたとすれば、僕と三ヶ嶋君がその出会いのきっかけとなったと言う事だろうか。そこら辺は何か曖昧に誤魔化されていた。まあ、大した事は起こらないだろう。

そもそも、充の夢の話であって、それが実現するのも疑わしかった。単に偶然が重なったり、夢の記憶と現実がごちゃ混ぜになっていて、それを正夢と勘違いしているのだろうと僕は思っていた。出会いが無かった時の充のガッカリした顔がどんなのかを見てみたいという意地悪な気持ちもあった。ただ、どこかでそれが本当に起こるのではと言う期待感もあったのかなと思う。

いずれにしろ、充が強く言うので、しぶしぶと言う形で充に従って僕と三ヶ嶋君は大学を出て駅の方に向かった。六月に入ったばかりで、梅雨に入るにはもう少し掛かりそうな時期だったので、ちょっと散歩するには丁度良かった。まだ、五月の爽やかを残しているようで、何となく歩いているだけで楽しくなってくる。最初はしぶしぶと言う感じが強かった三ヶ嶋君も歩いている内に、少しテンションが上がってくるようだった。

充が言うには駅まで行って来ればいいというので、それに従う。最初は何があるのか、もう少し具体的に話を聞きたかったが、詳しく語ろうとしないので、すぐに諦めて別の話をする。本当にどうでもいいようなくだらない話をしていたら、駅の近くまでたどり着いていた。心なしか、充が緊張した顔になってくる。その緊張を感じてか、僕と三ヶ嶋君の口数も減ってきた。

駅前に着いた僕と三ヶ嶋君は充の方を向く、充は近くにあるファーストフード店を指さす。ここまで来たら仕方ないと、ファーストフード店に向かった。一応、申し訳ない事を頼んだという気分は少しあるみたいで、そこは充の奢りだった。とは言え、昼食を食べたばかりなので、飲み物だけで十分だった。

充に促されて、外が見える窓の近くの席に座る。時間を見ると、まだ30分はゆっくりしていても大丈夫だった。じっと外を見ている充に声をかけるのもはばかれて、じっと待つことにした。その状態が5分ぐらい続き、もうそろそろ耐えられなくなってきた。充は変わらずじっと外を見ていたので、三ヶ嶋君と話でもするかと考えていたら、急に充が立ち上がった。
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