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中学時代の夢
8.
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月曜日はただ月曜日と言うだけで、やっぱり、何となくだるさを感じてしまう。寝起きで見た夢のおかげで、少しはテンションが上がっていた気がしていたけど、大学までたどり着くまでには、いつもの月曜日とそれほど変わらなくなっている。月曜だからと言って、特別に何かがある訳でもないし、朝早くから講義がある訳でもないのに、なぜかそんな風に思ってしまう。
教室に着くと、いつもならギリギリの充がすでにいた。何やらちょっと怒っている風である。何となく面倒だなと思うのだが、こういう時、相手をしないと更に面倒になる事が多い。何も気づかないふりをして、隣の席に座った。
「なんで、連絡が無い」
充がそう言った。どうやら、出かけた後に連絡が無かった事が不機嫌の原因みたいだ。連絡すると言っていたっけと思いながら、曖昧に返事してスルーする。
「で、どうだった?」
僕の態度を見て、そう聞いてきた。不機嫌である事には変わりないようだが、どうだったのか知りたい好奇心には勝てないようだった。
「何が?」
と、これまた曖昧にかわそうとする僕。
「いや、だからさ…」
と、追及が厳しくなりそうなところで三ヶ嶋君が現れた。すぐに僕の隣の席に座る。
「課題どうした?」
席に着くなり三ヶ嶋君が言った。充が何か言いたそうな気配を察したのかは良く分からなかったけど、僕も少し気になっていた事ではあった。
「まだ、もう少し掛かりそう。とりあえず、明日は大丈夫かなと思ってる」
「そうか、こっちもそんな感じかな。充は?」
「…」
ちょっとふてくされたような充の姿を見て、どうしたのと言う風に僕に目配せする三ヶ嶋君。充の様子には気が付いていなかったようだ。仕方ないという感じで、僕が状況を説明する。
「まあ、その話は後でな」
と、ちょっと思わせぶりな事を言う三ヶ嶋君。あの帰りの時の三ヶ嶋君では無くいつもの落ち着いた三ヶ嶋君だった。実際の所、僕も三ヶ嶋君に聞きたい事はいくつもあった。充と共闘して問い詰めるべきなのではないかとも考えていた。充はその気だからそれに乗っかった方が良いのかもしれない。そんな事を考えていたら、チャイムが鳴った。
こうなってしまうとどうしようもない。充も渋々と言う感じで、とりあえず、追及を諦めたようだ。そうなると、気になるのは課題の事らしく、今度はそのことを必死に尋ねてきた。全くやっていないわけでもないようだったが、あまり捗っていないのも事実なようで、どうするかとその課題の事で悩み始めていた。どっちの方が気になっているんだろう。そんな事を思った。
教室に着くと、いつもならギリギリの充がすでにいた。何やらちょっと怒っている風である。何となく面倒だなと思うのだが、こういう時、相手をしないと更に面倒になる事が多い。何も気づかないふりをして、隣の席に座った。
「なんで、連絡が無い」
充がそう言った。どうやら、出かけた後に連絡が無かった事が不機嫌の原因みたいだ。連絡すると言っていたっけと思いながら、曖昧に返事してスルーする。
「で、どうだった?」
僕の態度を見て、そう聞いてきた。不機嫌である事には変わりないようだが、どうだったのか知りたい好奇心には勝てないようだった。
「何が?」
と、これまた曖昧にかわそうとする僕。
「いや、だからさ…」
と、追及が厳しくなりそうなところで三ヶ嶋君が現れた。すぐに僕の隣の席に座る。
「課題どうした?」
席に着くなり三ヶ嶋君が言った。充が何か言いたそうな気配を察したのかは良く分からなかったけど、僕も少し気になっていた事ではあった。
「まだ、もう少し掛かりそう。とりあえず、明日は大丈夫かなと思ってる」
「そうか、こっちもそんな感じかな。充は?」
「…」
ちょっとふてくされたような充の姿を見て、どうしたのと言う風に僕に目配せする三ヶ嶋君。充の様子には気が付いていなかったようだ。仕方ないという感じで、僕が状況を説明する。
「まあ、その話は後でな」
と、ちょっと思わせぶりな事を言う三ヶ嶋君。あの帰りの時の三ヶ嶋君では無くいつもの落ち着いた三ヶ嶋君だった。実際の所、僕も三ヶ嶋君に聞きたい事はいくつもあった。充と共闘して問い詰めるべきなのではないかとも考えていた。充はその気だからそれに乗っかった方が良いのかもしれない。そんな事を考えていたら、チャイムが鳴った。
こうなってしまうとどうしようもない。充も渋々と言う感じで、とりあえず、追及を諦めたようだ。そうなると、気になるのは課題の事らしく、今度はそのことを必死に尋ねてきた。全くやっていないわけでもないようだったが、あまり捗っていないのも事実なようで、どうするかとその課題の事で悩み始めていた。どっちの方が気になっているんだろう。そんな事を思った。
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