夢ノコリ

hachijam

文字の大きさ
84 / 275
二者択一の夢

5.

しおりを挟む
女性陣、3人は一緒にやってきた。きっとそうだろうなと思ったけど、案の定そうだった。逆に1人1人別々に来たら、どう対応して良いのか迷っていただろうなと思っていた。どの席に座るか、座らせるかが重要だ、なんて話を前に充が言っていたのを、その時、思い出したけど、思い出すのが遅かった。そういう準備をしておくために早めに集まったのではとか思っている内に何となく席が決まってしまった。

男性陣3人と女性陣3人が向かい合う形になり、男性陣3人は奥の席で、右から僕、充、三ヶ嶋君と言う順番だった。それに対して、女性陣は僕の前に赤岡さん、その隣、充の前が岬と呼ばれていた子、そして、その隣、三ヶ嶋君の前が加山さんだった。この間の事も考えると自然な席順のような気がした。

充の仕切りでまずはお互いに自己紹介をする。僕と三ヶ嶋君と赤岡さんと加山さんはすでに分かっていたので、ちょっと変な感じもしたが、初めての2人もいたので、改めてと言う感じで自己紹介をした。こういう時、気の利いた事が言えたら良いなと思ったりするけど、そんな事は出来ずに無難にする。みんなそんな感じだった。

充だけがちょっと受けを狙った感じで、場違いな雰囲気が漂った。一瞬、変な空気になりそうだったが、三ヶ嶋君がフォローを入れて、大事に至らずに済んだ。沢島岬と言うのが、岬と呼ばれていたこの子の名前らしい。僕は名前を間違えないように覚えた。充は慣れ慣れしさ全開と言う感じで、女の子を下の名前で呼んでいた。僕はそんな事は出来ないので苗字でさん付けで呼ぶことにした。いつもと同じと言えば、同じというところだろう。

自己紹介を終えて、ちょっとひと段落と言う感じで、少し落ち着いた気分になれた。充の少しテンションの高い感じが逆に落ち着いた雰囲気にさせてくれるのは助かったけど、女の子3人がどういう反応をしているのかも気になった。一番興味を示しているのが加山さんだった。それに乗せられて、更にテンションを上げている充と言う感じだった。赤岡さんも反応はしているが、それほど積極的ではない。ちょっと安心したような気持になる。沢島さんはとても冷たい視線を送っていた。まだ、場に慣れていないのか、もともとこういう人なのか、充の話に全く興味が無いのか、それとも、全く違う理由なのか、あるいはそのすべてなのか、分からないけど、とても冷ややかな視線だった。大丈夫なのかなとちょっとだけ不安になった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵
ファンタジー
 異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。  魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。  そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。  自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。  後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。  そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。  自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

処理中です...