夢ノコリ

hachijam

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二者択一の夢

9.

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最後に登場したのは中辛のカレーだった。みんなで分けて食べたとはいえ、5皿分食べているので、それなりにお腹いっぱいになっていた。その状態で、一番オーソドックスと言えるカレーが出て来て、食べれるのかなと少し思っていた。味はとても平凡で、その分、ホッとさせる何かがあった気がする。みんな少しお腹がいっぱいと言うのもあったのかもしれないけど、一番、安心して食べていた気がした。

「お腹いっぱいだねー」

「ホントホント、食べ過ぎたよー」

と加山さんと赤岡さんが言って、沢島さんも頷いていた。表情を見ると、喜んでくれたみたいだった。自分が計画した訳ではないけど、やっぱり、安心した。

「どれが一番美味しかった?」

そう聞いたのは充だった。

「俺は最初に食べた甘いのかな。やっぱり、世界一って感じがした」

と、一番初めに言う。

「えー、ちょっと甘すぎる気がした。辛いのが結構、好きだったかも」

と、加山さん。

「世界一かは分からないけど、私は甘いのが良かった」

と、沢島さん。

「俺は辛いのかな」

と、三ヶ嶋君。辛すぎて食べきれなかったのではと思っていたら、

「いや、食べるの苦労してたでしょ」

と、充が突っ込んだ。

「辛かったけど、美味しかったよ。なあ?」

と、なぜか僕に助けを求める三ヶ嶋君。

「甘いのも、辛いのも美味しかったけど、何気に最後のが一番好きだったかも」

僕は三ヶ嶋君には同意せずそう言った。

「私も意外とそうかな」

赤岡さんが同意してくれてちょっと嬉しくなった。男3人、女3人、それぞれバラバラの意見だったけど、向かい合っている席の組み合わせで意見が一致するという不思議な結果になった。基本的に、どのカレーも美味しかったというのは、共通した意見のようで、後は好みの問題と言う事だろうか。ただ、三ヶ嶋君が辛いのを選んだのはちょっと無理があるように思えたし、沢島さんが甘いのを選んだのもちょっと不思議に思えた。

食事を終え、少し近くの公園を散歩してから、カラオケに行った。カラオケは苦手なんだよなと思いながらも、充と三ヶ嶋君が乗り気だったので素直に従う。最近の曲はあまり良く分からなかったので、中学時代に流行っていた歌とか歌っていたら、何だか盛り上がった。自分で言うのも何なんだけどあまり歌が上手では無い、と言うか、下手なのでだいぶ恥ずかしかったけど、勢いで誤魔化したら、それなりに楽しんでもらえたようだった。

カラオケが終わって、程よい時間で、その日は終了という感じになった。この間とは違い、三ヶ嶋君も大満足だったようである。今度、また、どっかに出かけよう、夏だからアウトドア、海とかバーベキューとか、と盛り上がったりもした。夏休みに向けて計画を練ろう、その前にテストだ、なんて話を最後にしていた。
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