88 / 275
二者択一の夢
9.
しおりを挟む
最後に登場したのは中辛のカレーだった。みんなで分けて食べたとはいえ、5皿分食べているので、それなりにお腹いっぱいになっていた。その状態で、一番オーソドックスと言えるカレーが出て来て、食べれるのかなと少し思っていた。味はとても平凡で、その分、ホッとさせる何かがあった気がする。みんな少しお腹がいっぱいと言うのもあったのかもしれないけど、一番、安心して食べていた気がした。
「お腹いっぱいだねー」
「ホントホント、食べ過ぎたよー」
と加山さんと赤岡さんが言って、沢島さんも頷いていた。表情を見ると、喜んでくれたみたいだった。自分が計画した訳ではないけど、やっぱり、安心した。
「どれが一番美味しかった?」
そう聞いたのは充だった。
「俺は最初に食べた甘いのかな。やっぱり、世界一って感じがした」
と、一番初めに言う。
「えー、ちょっと甘すぎる気がした。辛いのが結構、好きだったかも」
と、加山さん。
「世界一かは分からないけど、私は甘いのが良かった」
と、沢島さん。
「俺は辛いのかな」
と、三ヶ嶋君。辛すぎて食べきれなかったのではと思っていたら、
「いや、食べるの苦労してたでしょ」
と、充が突っ込んだ。
「辛かったけど、美味しかったよ。なあ?」
と、なぜか僕に助けを求める三ヶ嶋君。
「甘いのも、辛いのも美味しかったけど、何気に最後のが一番好きだったかも」
僕は三ヶ嶋君には同意せずそう言った。
「私も意外とそうかな」
赤岡さんが同意してくれてちょっと嬉しくなった。男3人、女3人、それぞれバラバラの意見だったけど、向かい合っている席の組み合わせで意見が一致するという不思議な結果になった。基本的に、どのカレーも美味しかったというのは、共通した意見のようで、後は好みの問題と言う事だろうか。ただ、三ヶ嶋君が辛いのを選んだのはちょっと無理があるように思えたし、沢島さんが甘いのを選んだのもちょっと不思議に思えた。
食事を終え、少し近くの公園を散歩してから、カラオケに行った。カラオケは苦手なんだよなと思いながらも、充と三ヶ嶋君が乗り気だったので素直に従う。最近の曲はあまり良く分からなかったので、中学時代に流行っていた歌とか歌っていたら、何だか盛り上がった。自分で言うのも何なんだけどあまり歌が上手では無い、と言うか、下手なのでだいぶ恥ずかしかったけど、勢いで誤魔化したら、それなりに楽しんでもらえたようだった。
カラオケが終わって、程よい時間で、その日は終了という感じになった。この間とは違い、三ヶ嶋君も大満足だったようである。今度、また、どっかに出かけよう、夏だからアウトドア、海とかバーベキューとか、と盛り上がったりもした。夏休みに向けて計画を練ろう、その前にテストだ、なんて話を最後にしていた。
「お腹いっぱいだねー」
「ホントホント、食べ過ぎたよー」
と加山さんと赤岡さんが言って、沢島さんも頷いていた。表情を見ると、喜んでくれたみたいだった。自分が計画した訳ではないけど、やっぱり、安心した。
「どれが一番美味しかった?」
そう聞いたのは充だった。
「俺は最初に食べた甘いのかな。やっぱり、世界一って感じがした」
と、一番初めに言う。
「えー、ちょっと甘すぎる気がした。辛いのが結構、好きだったかも」
と、加山さん。
「世界一かは分からないけど、私は甘いのが良かった」
と、沢島さん。
「俺は辛いのかな」
と、三ヶ嶋君。辛すぎて食べきれなかったのではと思っていたら、
「いや、食べるの苦労してたでしょ」
と、充が突っ込んだ。
「辛かったけど、美味しかったよ。なあ?」
と、なぜか僕に助けを求める三ヶ嶋君。
「甘いのも、辛いのも美味しかったけど、何気に最後のが一番好きだったかも」
僕は三ヶ嶋君には同意せずそう言った。
「私も意外とそうかな」
赤岡さんが同意してくれてちょっと嬉しくなった。男3人、女3人、それぞれバラバラの意見だったけど、向かい合っている席の組み合わせで意見が一致するという不思議な結果になった。基本的に、どのカレーも美味しかったというのは、共通した意見のようで、後は好みの問題と言う事だろうか。ただ、三ヶ嶋君が辛いのを選んだのはちょっと無理があるように思えたし、沢島さんが甘いのを選んだのもちょっと不思議に思えた。
食事を終え、少し近くの公園を散歩してから、カラオケに行った。カラオケは苦手なんだよなと思いながらも、充と三ヶ嶋君が乗り気だったので素直に従う。最近の曲はあまり良く分からなかったので、中学時代に流行っていた歌とか歌っていたら、何だか盛り上がった。自分で言うのも何なんだけどあまり歌が上手では無い、と言うか、下手なのでだいぶ恥ずかしかったけど、勢いで誤魔化したら、それなりに楽しんでもらえたようだった。
カラオケが終わって、程よい時間で、その日は終了という感じになった。この間とは違い、三ヶ嶋君も大満足だったようである。今度、また、どっかに出かけよう、夏だからアウトドア、海とかバーベキューとか、と盛り上がったりもした。夏休みに向けて計画を練ろう、その前にテストだ、なんて話を最後にしていた。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる