落書きモノ

hachijam

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3.僕との対話

17.

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それから1時間ぐらい、いろいろと試してみたが、意識である僕が僕の身体に戻る事は無かった。ただ、そういうのを繰り返すうちに、意識の動かし方を学べたような気はする。何となく漠然とした自分の意識の形と言うのを少し認識する事ができ、それを形として扱う事が出来るようになった。目に見えているのではないので、それがはっきりと言える訳でないのだが、感覚として捉える事が出来るようになった。

この辺は、身体を意識せずに動かすときがあるのに似ているのかもしれない。いわゆる魂みたいな丸っこい形にしたり、霧のように広げる事も出来たりする。それが何の役に立つのかは分からなかったが、意識を意識の力で変えるという事が出来るんだなと認識した。

ついでに身体からどれくらい離れる事が出来るのかと言うのも試してみた。試してみて分かった事として、僕の身体と意識の間にある紐のようなものはゴムのように伸び縮みする物だという事。だから、勢い付けて、結構、頑張れば意外と遠くまで離れる事が出来た。ただ、ゴムの様に伸びる分、その紐のようなものは細くなっていくようだった。あまり伸びすぎるとプツンと切れてしまうのではないかなと不安になってしまって、慌てて元の距離に戻った。距離が離れるとだんだんと身体を認識する力が弱くなっているみたいだった。

いろいろとやりながら、自分の状況を確認すると新しい発見があり、これはこれで面白いのかもしれないと少しだけ思って首を振る。やっぱり、身体はちゃんと取り戻したい。そう強く意識しないと本当にこのままの状態で居続ける気がしたからだった。

それにしても、いつまで寝ているんだろうと思っていたら、ようやく目を覚ました。僕の事を認識しているのかは分からなかったのだが、その目ははっきりと僕を捉えていた。やっぱり、僕の意識がそこにあるという事を僕の身体は分かっているんだと思った。

まだ、寝たりないのか大きなあくびをしながら、ベッドから起きると大きな伸びをした。寝起きなので、仕方ないのかもしれないが、気合も何も入っていないような状態で、ちょっと拍子抜けしてしまう。でも、このままではいけないと、また、意識を引き締める。そんな僕に気が付いたのか、ちらりをこちらを見ると、まあ、落ち着いてと言うような余裕の表情を浮かべる。何か馬鹿にされているような気がしたが、怒るのも違うと思い、僕の身体が何をするのかを見ていた。

とりあえず、外に出たら昨日と同じ様な展開になりそうだ。それは阻止しなければいけないと思った。
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