落書きモノ

hachijam

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5.体を取り戻す方法を考える

32.

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その呼びかけを聞いた時に、最初はボクが呼ばれているんだと思った。それでその呼びかけに答えようとしたけど、なんか違うなとすぐに感じた。ボク以外の何かに呼びかけているみたいだった。それが何なのかは良く分からなかった。

もしかしたら、今のボクたちと同じ状況になっている人たちがいるのかもしれない。そういう存在に気が付いたのだろうか。ボクは自分の意識を感じる事が出来る。はっきりと見る事が出来るというと表現としては間違っている気がするけど、はっきりとそこにいるというのは感じられる。

だからと言って、他の意識の存在がどこにあるのかは分からない。ボクたちの状況が特殊なのか、それとも今まで知らなかっただけで、実は当たり前のようにこういうケースがあったのかもはっきりとはしなかった。だから、意識だけの僕がそういう存在に気が付いたとして、身体のボクがその存在に気づけるのかは良く分からなかった。そうなるとすれば、その呼びかけに反応した方が良いのかは微妙な気がする。

とりあえず、ボク自身が呼ばれている訳ではないみたいなので、しばらく放っておく事にした。そして、その呼びかけはしばらく続いた。そこで、その呼びかけが外に向かっている物ではない事に気が付いた。だったら、誰に呼びかけているのだろうか。ボクなのだろうか。何となく僕の存在が煩わしいと感じるようになってきているから、ボクは僕の呼びかけを無意識に無視しようとしてしまっていたのだろうか。そんな風にも思った。

このまま無視していて良い物か少し悩んだけど、もう少しだけ誰に呼びかけているのか慎重に判断した方が良いかもしれない。それからしばらくの間、それまでより注意深く誰に呼びかけを送っているのかを探ってみた。外部ではないというのは間違いなかった。それはすぐに確信する事が出来た。内部である。ただ、それがボクに向かっているのでも無い事は間違いなかった。

では、誰なんだろうか。僕とボク以外の別の存在がいるのだろうか。そこでその可能性を考える。それは全くゼロではない気がする。ある日、突然、ボクが自分の存在に気が付いたように意識せずにいる存在がまだ体の中にあっても不思議でもないと思えた。むしろ、僕とボクだけが全てだと言えるほどシンプルな事なのだろうか。そんな事を想像すると身体のあちこちから僕とボク以外の存在が浮かび上がってくるように感じた。それが一体どういう存在なのだろうか。考えると怖いような気もするが、何が出てくるのかはとても気になった。
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