竜探しのお話

hachijam

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4章.竜の研究者

24.

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バナ、ホウミ、サントたち、そして、ルメと言う順番でリアリの研究室の中に入る。リアリは一人何かを考えていたようだった。バナ達が入って来るのも構わずに考えるのを止めようともしなかった。

「すいません、バナさんがお話があるみたいで」

ホウミが様子を伺いながら言った。その声に始めて気が付いたというように、バナの方に視線を向ける。

「で、何の用だ?」

そう冷たく言い放った。

「あの実験は続けているのか?」

ようやく覚悟を決めたのか、バナは自らその問いを投げかけた。

「当然だろ。何で止める必要がある」

リアリは、はっきりとそう告げた。

「危険性は?」

「さあ、どうかな」

そういうと、リアリは手元にあった資料をバナの方に放り投げた。

「これは?」

資料を見ながらバナが聞く。

「見れば分かるだろう」

それはバナが研究所を離れてから行われた実験の結果がまとめられていた物だった。

「どう思う?」

「どうもこうも…」

その内容にバナは驚いていた。自分が知らない間にここまで研究が進んでいたとは思わなかったからだ。

「お前が、邪魔してくれたおかげで、余計な時間は掛かったがな」

「…」

自分のせいで研究所に膨大な損失を与えた事を思い出して沈黙してしまった。

「それで他に用事は?」

黙ってしまったバナに冷たくリアリは言う。

「…」

バナは言葉を発する事が出来なかった。

「何もないなら、帰ってくれないか。邪魔だ」

少し呆れたようにリアリは言った。

「あの時の魔法生物はあなたが作った物だったんですか?」

「そうだと言ったら?」

黙ってられなかったラテアの問いにリアリが答える。

「じゃあ、干からびた魔物の死骸も?」

サントも気になった事を聞いた。

「…?干からびた魔物?」

一瞬、それまでとは違った怪訝な表情をするリアリ、しかし、すぐに悟ったように頷いた。

「そうか、そういう事か。なるほど、それは面白い」

急にそれまでと違った態度を見せてサントたちは驚く。今度はバナがその様子の変化に怪訝な表情を浮かべた。

「これ以上なければ、お引き取りを…」

元の表情に戻ったリアリは、サントたちを研究室から追い出すように言った。



「結局、どういう事だったんですか」

バナの家に戻ったサントたちは、バナに問いただした。

「リアリは実験を続けていたという事です…。フフフ」

バナはそう答えて少し笑った。

「何が可笑しいんですか?」

バナの様子を見て、リラが聞いた。

「いや、みなさんがおっしゃっていた通り、最初から直接話を聞いていれば良かったのかなって。リアリは別に何も隠していたわけじゃなかった。ただ、自分が聞かなかっただけなんだなって思ったら、可笑しくなってしまいました」

「だから言っただろ」

ルメが少し勝ち誇ったように言った。

「そうですね。もっと早くそうするべきでした。でも、きっとまだ間に合います。明日、また、リアリの所に行ってもっと詳しい事を聞いてみます。危険だったら、何度でも止めます。それが私の役割です」

そういうと、バナはリアリから受け取った資料を詳しく分析し始めた。
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