75 / 155
4章.竜の研究者
35.
しおりを挟む
ラテアは研究所を飛び出すと、バナの家に向かった。バナとサントはすでに実験の準備は終え、明日を待つという感じだった。慌てて家に入ってきたラテアの様子に驚く。
「何かありましたか?」
バナがそう聞いたのは、ラテアの慌てた様子が尋常では無かったからだ。実験の準備で何か問題があったのではないかと考えたのだ。
「あの、リラは?」
「ファムと一緒にホウミさんと出かけたままだと思うよ」
サントは知っているだろうというように言った。
「そうか…」
ラテアもそれは知っていたが、それでも、今ここにいれば懸念が無くなると思って尋ねたのだった。
「実は…」
そう言って、ラテアはドレロから聞いた話と自分が考えた事を結びつけて話し始めた。
「…」
「…」
話が進むにつれて言葉を失うサントとバナ。ラテアは最後まで話を続ける。
「すぐにリラを探しに行かないと」
サントはすぐにでも家を飛び出そうとした。
「…、でも、そこまでの事をリアリはするでしょうか」
バナは半信半疑と言う感じだった。
「…、とにかく、まずはリラを探そう。その後の事はまた考えれば良い」
サントはそう結論付けると、ラテアと共に外に向かった。バナは後を追うべきか悩みながら、結局、その場から動けなかった。
「あれ、どこへ行ったんだ、あの二人は?」
ファムはリラとホウミを見失って困っていた。宿に帰る途中だったから、このまま帰ってしまっても良いだろうかと思う。
何か面白い物でも見つけて引っかかっているのかもしれない。そう言えば、何か珍しいとか、可愛いとか気になっていた物があったようだ。自分はそういうのにあまり興味が無くて惹かれなかったが、リラとホウミだったらそういうのを見つけそうだ。
リラひとりだったら、迷子になったのではと心配だが、ホウミも一緒だろうから問題ないはずだと思う。仮にリラひとりになったとしても、宿屋の場所ぐらいさすがに分かるだろうと思った。だったら、宿に戻った方が良いと考えた。
自分が迷子扱いされたら面倒な気もしたが、あんまり、帰ってこないようなら、探しに行けば良いだろうとも思っていた。旅や洞窟の探索であれば、それほど疲労は感じないのだが、ゆっくりと町を観光するというのは、あまり慣れていなくて、気疲れしている部分もあってそう思った。
宿に着くと、慌てた顔をしたサントとラテアがいた。何かあったのだろうか。
「リラは?」
サントが聞いてくる。はぐれてしまったみたいで先に帰ってきたと言うと、ラテアが険しい顔をした。
「ホウミも一緒だから心配ないだろう。そこまで心配する必要ないよ」
ファムはサントたちの心配が過保護に見えて、そう言った。
「ホウミさんと一緒だから、心配なんです」
ラテアが苦々しく言った。
「何かありましたか?」
バナがそう聞いたのは、ラテアの慌てた様子が尋常では無かったからだ。実験の準備で何か問題があったのではないかと考えたのだ。
「あの、リラは?」
「ファムと一緒にホウミさんと出かけたままだと思うよ」
サントは知っているだろうというように言った。
「そうか…」
ラテアもそれは知っていたが、それでも、今ここにいれば懸念が無くなると思って尋ねたのだった。
「実は…」
そう言って、ラテアはドレロから聞いた話と自分が考えた事を結びつけて話し始めた。
「…」
「…」
話が進むにつれて言葉を失うサントとバナ。ラテアは最後まで話を続ける。
「すぐにリラを探しに行かないと」
サントはすぐにでも家を飛び出そうとした。
「…、でも、そこまでの事をリアリはするでしょうか」
バナは半信半疑と言う感じだった。
「…、とにかく、まずはリラを探そう。その後の事はまた考えれば良い」
サントはそう結論付けると、ラテアと共に外に向かった。バナは後を追うべきか悩みながら、結局、その場から動けなかった。
「あれ、どこへ行ったんだ、あの二人は?」
ファムはリラとホウミを見失って困っていた。宿に帰る途中だったから、このまま帰ってしまっても良いだろうかと思う。
何か面白い物でも見つけて引っかかっているのかもしれない。そう言えば、何か珍しいとか、可愛いとか気になっていた物があったようだ。自分はそういうのにあまり興味が無くて惹かれなかったが、リラとホウミだったらそういうのを見つけそうだ。
リラひとりだったら、迷子になったのではと心配だが、ホウミも一緒だろうから問題ないはずだと思う。仮にリラひとりになったとしても、宿屋の場所ぐらいさすがに分かるだろうと思った。だったら、宿に戻った方が良いと考えた。
自分が迷子扱いされたら面倒な気もしたが、あんまり、帰ってこないようなら、探しに行けば良いだろうとも思っていた。旅や洞窟の探索であれば、それほど疲労は感じないのだが、ゆっくりと町を観光するというのは、あまり慣れていなくて、気疲れしている部分もあってそう思った。
宿に着くと、慌てた顔をしたサントとラテアがいた。何かあったのだろうか。
「リラは?」
サントが聞いてくる。はぐれてしまったみたいで先に帰ってきたと言うと、ラテアが険しい顔をした。
「ホウミも一緒だから心配ないだろう。そこまで心配する必要ないよ」
ファムはサントたちの心配が過保護に見えて、そう言った。
「ホウミさんと一緒だから、心配なんです」
ラテアが苦々しく言った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
金の羊亭へようこそ! 〝元〟聖女様の宿屋経営物語
紗々置 遼嘉
ファンタジー
アルシャインは真面目な聖女だった。
しかし、神聖力が枯渇して〝偽聖女〟と罵られて国を追い出された。
郊外に館を貰ったアルシャインは、護衛騎士を付けられた。
そして、そこが酒場兼宿屋だと分かると、復活させようと決意した。
そこには戦争孤児もいて、アルシャインはその子達を養うと決める。
アルシャインの食事処兼、宿屋経営の夢がどんどん形になっていく。
そして、孤児達の成長と日常、たまに恋愛がある物語である。
生まれ変わったら飛べない鳥でした。~ドラゴンのはずなのに~
イチイ アキラ
ファンタジー
生まれ変わったら飛べない鳥――ペンギンでした。
ドラゴンとして生まれ変わったらしいのにどうみてもペンギンな、ドラゴン名ジュヌヴィエーヴ。
兄姉たちが巣立っても、自分はまだ巣に残っていた。
(だって飛べないから)
そんなある日、気がつけば巣の外にいた。
…人間に攫われました(?)
偽夫婦お家騒動始末記
紫紺
歴史・時代
【第10回歴史時代大賞、奨励賞受賞しました!】
故郷を捨て、江戸で寺子屋の先生を生業として暮らす篠宮隼(しのみやはやて)は、ある夜、茶屋から足抜けしてきた陰間と出会う。
紫音(しおん)という若い男との奇妙な共同生活が始まるのだが。
隼には胸に秘めた決意があり、紫音との生活はそれを遂げるための策の一つだ。だが、紫音の方にも実は裏があって……。
江戸を舞台に様々な陰謀が駆け巡る。敢えて裏街道を走る隼に、念願を叶える日はくるのだろうか。
そして、拾った陰間、紫音の正体は。
活劇と謎解き、そして恋心の長編エンタメ時代小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる