竜探しのお話

hachijam

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4章.竜の研究者

49.

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「さすが、バナ。分かってくれて嬉しいよ」

そう小さな竜が喋った。

「なあ、リアリ。わざわざ、死ぬ必要があったのか?」

呆れるように言う。

「さあ。確率の問題だよ。人としての生命を終えた方がより、純粋に竜に近づけると思ったからな。それに…」

「それに…?」

「劇的な方が感動するだろ?」

その意地悪そうな言い方は、まさしくリアリその物だった。その場にいた、全ての者がこの小さな竜がリアリである事を確信した。

「こ、これが才能の差なのか…。最初から勝てるわけが無かったのか…」

ドレロはその姿を見て、全てにおいて勝てないことを思い知らされた。少しでも勝てると思っていた自分が如何に愚かだったかを理解した。そして、自分の最後の時が迫っているのを感じ、リアリの才能を見る事が出来て良かったと始めて思った。その表情はどこか満足しているようにも見えた。

「止めは私が刺して上げようと思ったんだが…」

崩れゆくドレロを見ながらリアリは言った。

「さて、諸君、私の竜の力を試させてもらおうか。あふれ出るこの力、抑えるのは難しそうだ。ひと暴れさせてもらおうか」

そういうと、大きく咆哮を上げた。その咆哮を聞いて、竜の咆哮は魂を砕くと昔話で聞かされた事があったのをファムは思い出した。圧倒的な重圧でその場に立っているのもやっとだと感じた。恐怖と言うよりは畏怖を感じたのだった。これまでの戦いで死を感じさせる場面も何度かあったが、それとは全く違う、立ち向かう事さえ困難だと思い知らされた。

「何だ、誰も相手をしてくれないのか」

つまらなそうにリアリが呟いた。

「いい加減にしろ…」

サントがそう言いながら立ち上がる。竜の呪いに耐えながら、リアリに対峙した。

「さすが、マガモノとは言え、竜の力を持つ者」

「お前の力だって、マガモノだろう」

「確かに、それは否定しない。予定外の事が起こったからな、でも、結果は想定以上だったよ」

再び咆哮を上げるリアリ、サントはその瞬間を逃さず、剣を振るう。しかし、全身に痛みが走り、まともな攻撃にならなかった。あっさりと跳ね返されてしまう。

「それで終わりなのか?」

あざ笑うリアリ。サントは痛みでまた突っ伏してしまう。

「なら、これでどうだ」

サントの攻撃を見て、気持ちをどうにか奮い立たせたファムが攻撃を仕掛ける。まだ、心の底では怖れを抱いたままだったが、どうにか一撃を加える。しかし、その攻撃もあっさりと跳ね返されてしまう。

「何だ面白くない」

リアリは、また、つまらなそうに呟いた。
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