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4章.竜の研究者
50.
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「いい加減にしなさい」
と、怒鳴り声が響いた。怒鳴り声の主はリラだった。見るからに怒っている。
「さすが、マコトノモノ。動じずか」
感心したようにリアリが言った。
「あなた、悪い子じゃないでしょ。無理に悪ぶらないの」
まるで説教する母親である。
「何だ、その言い方は…」
リラの言い方に次第に苛立ちを感じるリアリ。その様子は周りから見ても奇妙な物だった。ファムはリラに下がるように言うが、リラは全く聞く耳を持っていなかった。
「良い子なんだから無理しないの」
ゆっくりと落ち着いた声でサントが言う。怒鳴られている訳ではないのに、さっきよりもはっきりとした重圧をリアリは感じていた。
「…、くっ」
リアリはまるで怯えるように小さくなる。
「そう良い子ね」
そういうと、リラはリアリに近づき、そっと頭をなでる。それに反応するリアリ、その姿はまるで母親に甘える子供のようだった。意識せずにくーんと言う可愛らしい鳴き声を上げる。
「はいはい。良い子ね」
「くーん。…、ちっ違うぞ」
そう言い張る姿は、甘えている姿を見られて恥ずかし気にしている子供に見えた。
「どういう…事ですか?」
事の成り行きについていけないラテアが言った。
「恐らく…」
バナは考えながらゆっくりとしゃべる。
「リラさんのマコトノモノの力に逆らえないんだと思います。全く推測でしかありませんが、サントさんのマガモノの力で得た力と言うのは、やっぱり、マガモノだったという事でしょうか。すいません…。確証は持てませんが…」
誰に向かって謝っているのか良く分からない感じだったが、バナが言った。
「あの…」
控えめにホウミが言う。
「結局、実験は成功なんでしょうか?」
バナは手を大きく広げて、分からないというように首を左右に振る。
「大部分はリアリの筋書き通りだと思います。自ら竜になるという目的を叶えたように見えますから成功と言っても良い気がします。でも、あの様子を見ると、必ずしも思い通りでは無かったように思います」
リラとリアリはまだじゃれ合っているように見えた。その姿を見ながらバナは続ける。
「だからと言って、失敗かと言えば、そうでも無い気はします。まあ、予想外の事がいろいろと起きた事を考えれば、及第点は上げても良いとは思いますが…。本人に聞いてみないと何とも言えません」
さっきまでの緊迫した雰囲気は無くなり、逆に白けたような雰囲気になっていた。その中で楽しそうにリアリの相手をするリラの声だけが響いていた。
と、怒鳴り声が響いた。怒鳴り声の主はリラだった。見るからに怒っている。
「さすが、マコトノモノ。動じずか」
感心したようにリアリが言った。
「あなた、悪い子じゃないでしょ。無理に悪ぶらないの」
まるで説教する母親である。
「何だ、その言い方は…」
リラの言い方に次第に苛立ちを感じるリアリ。その様子は周りから見ても奇妙な物だった。ファムはリラに下がるように言うが、リラは全く聞く耳を持っていなかった。
「良い子なんだから無理しないの」
ゆっくりと落ち着いた声でサントが言う。怒鳴られている訳ではないのに、さっきよりもはっきりとした重圧をリアリは感じていた。
「…、くっ」
リアリはまるで怯えるように小さくなる。
「そう良い子ね」
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「はいはい。良い子ね」
「くーん。…、ちっ違うぞ」
そう言い張る姿は、甘えている姿を見られて恥ずかし気にしている子供に見えた。
「どういう…事ですか?」
事の成り行きについていけないラテアが言った。
「恐らく…」
バナは考えながらゆっくりとしゃべる。
「リラさんのマコトノモノの力に逆らえないんだと思います。全く推測でしかありませんが、サントさんのマガモノの力で得た力と言うのは、やっぱり、マガモノだったという事でしょうか。すいません…。確証は持てませんが…」
誰に向かって謝っているのか良く分からない感じだったが、バナが言った。
「あの…」
控えめにホウミが言う。
「結局、実験は成功なんでしょうか?」
バナは手を大きく広げて、分からないというように首を左右に振る。
「大部分はリアリの筋書き通りだと思います。自ら竜になるという目的を叶えたように見えますから成功と言っても良い気がします。でも、あの様子を見ると、必ずしも思い通りでは無かったように思います」
リラとリアリはまだじゃれ合っているように見えた。その姿を見ながらバナは続ける。
「だからと言って、失敗かと言えば、そうでも無い気はします。まあ、予想外の事がいろいろと起きた事を考えれば、及第点は上げても良いとは思いますが…。本人に聞いてみないと何とも言えません」
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