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4章.竜の研究者
51.
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実験の日から三日が経っていた。その間、事態をどう抑えるのかで、バナは奮闘していた。所長が竜になった、副所長は不正をした挙句、亡くなったというのが事実だったが、それをそのまま告げる事は憚れた。結局、実験の準備段階で、事故が起き、それによって、所長のリアリと副所長のドレロが亡くなったという事にした。
ドレロの不正に関しては、元々巧妙に隠されていた事もあり、ドレロが亡くなった事で、その実態を掴むことは難しくなってしまった。その結果として、不正による混乱が起きなかったのは皮肉な出来事だった。
所長であるリアリが亡くなったというのは、研究所に大きなショックを与えたが、実験の最中の事故と言われると、多くの人が納得するところでもあり、これも普段のリアリの言動がもたらした結果だった。一部ではリアリは生きていて、研究所が嫌になったから逃亡したなんて噂も流れたが、バナはそういう噂を無理に否定する事は無かった。そういう噂に構っている余裕が無かったというのが、正直な所かもしれない。
本来であれば、部外者であるバナは研究所に関わりが無い存在であるはずだったが、所長、副所長がいなくなった事で、設立メンバーとして責任を求められる事になった。このことを快く思わない者もいたが、他に頼れる人もいなかったこともあり、実験の責任の一端を感じていたバナも出来る限りの事をすると心に決めた。
ホウミの助けもあり、事態はひとまず落ち着いた。この先の事までは、まだ見通す事が出来なかったが、少しずつ進んで行くしかないと考えていた。ちなみにこの間、竜となったリアリは、研究所に関しては全く興味を示さなかった。元々のリアリの性格から考えれば、当然の対応のように思えたが、サントは気になって責任は感じないのかと一度だけ尋ねた。それに対して、リアリは
「だから研究所の名前にバナの名前も入れるべきだったんだ」
とだけ言っていた。
そして、今に至る。
サントたちは今後どうするかを話し合っていた。まず、リアリをどうするかだった。竜となったリアリをこのまま好き勝手、放置させる事は出来ないと思っていた。しかも、一応、死んだことになっているリアリがここに留まるのも何かと厄介な事が起きそうな気がしていた。リラの言う事しかきかない現状を考えると、サントたちと共に旅に出る事が妥当だと思えた。ファムはあからさまに嫌な顔をしたが、リラが責任を持つと言われるとしぶしぶ納得するしかなかった。当の本人は何を考えているのか分からなかったが、反対の意思は示さなかった。
ドレロの不正に関しては、元々巧妙に隠されていた事もあり、ドレロが亡くなった事で、その実態を掴むことは難しくなってしまった。その結果として、不正による混乱が起きなかったのは皮肉な出来事だった。
所長であるリアリが亡くなったというのは、研究所に大きなショックを与えたが、実験の最中の事故と言われると、多くの人が納得するところでもあり、これも普段のリアリの言動がもたらした結果だった。一部ではリアリは生きていて、研究所が嫌になったから逃亡したなんて噂も流れたが、バナはそういう噂を無理に否定する事は無かった。そういう噂に構っている余裕が無かったというのが、正直な所かもしれない。
本来であれば、部外者であるバナは研究所に関わりが無い存在であるはずだったが、所長、副所長がいなくなった事で、設立メンバーとして責任を求められる事になった。このことを快く思わない者もいたが、他に頼れる人もいなかったこともあり、実験の責任の一端を感じていたバナも出来る限りの事をすると心に決めた。
ホウミの助けもあり、事態はひとまず落ち着いた。この先の事までは、まだ見通す事が出来なかったが、少しずつ進んで行くしかないと考えていた。ちなみにこの間、竜となったリアリは、研究所に関しては全く興味を示さなかった。元々のリアリの性格から考えれば、当然の対応のように思えたが、サントは気になって責任は感じないのかと一度だけ尋ねた。それに対して、リアリは
「だから研究所の名前にバナの名前も入れるべきだったんだ」
とだけ言っていた。
そして、今に至る。
サントたちは今後どうするかを話し合っていた。まず、リアリをどうするかだった。竜となったリアリをこのまま好き勝手、放置させる事は出来ないと思っていた。しかも、一応、死んだことになっているリアリがここに留まるのも何かと厄介な事が起きそうな気がしていた。リラの言う事しかきかない現状を考えると、サントたちと共に旅に出る事が妥当だと思えた。ファムはあからさまに嫌な顔をしたが、リラが責任を持つと言われるとしぶしぶ納得するしかなかった。当の本人は何を考えているのか分からなかったが、反対の意思は示さなかった。
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