竜探しのお話

hachijam

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6章.隠された都市

14.

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「それでコトの方は?」

ドンゴにとっては、そっちの方が気がかりだったようだ。

「大丈夫です。安心して任せてください」

そう断言するようにリラが言った。昨日、あった事を思い出し、サントは苦笑いし、ファムは笑いをこらえるのに必死だった。



コトが新しく盗賊団を作ろうとしている事はすでにドンゴに報告済みであった。ドンゴもその可能性はあると考えたので、その報告に驚きもしなかった。しかも、ドンゴはその行動に反対せずに、むしろ、協力してやってほしいと言ってきたのだった。それにはサントが驚いた。

サントは力づくでも止めさせろぐらいの事を言われると思っていたのだ。むしろ、その方が、サントとしても、分かりやすく反対できると思ったので、何度も確認したほどだった。ドンゴは無理に反対したくはないと言う。コトがやりたいと思う事は何でも叶えさせてやりたいのです。そう言う、ドンゴの表情は親ばかそのものだった。

(コトが望むことは何でも叶えさせたい?、それが盗賊でも?)

サントには理解できない事だったが、ドンゴは真剣に言っていた。

「反対して無茶されるよりも、協力しているふりをして、制御する方が楽だよ」

サントが反論しそうなのを見て、ファムが耳元でそう呟いた。ドンゴとの協力もあり、しぶしぶとサントはその場では納得する事にした。



そして、昨日、盗賊団の結成が行われた。場所は前回、盗賊団を結成したいと話した道具屋の奥だった。人は一人増えていた。コトと合わせて五人。

「これで全部?」

「はい。本当はもっと集めたかったんですが、少数精鋭の方が良いと思って…」

どうやら、人数集めに失敗したようだ。最近、出来たばかりの盗賊団が襲われているという話は広く伝わっているのかもしれないと思った。

「まあ、良いんじゃないか。私たちもいるし」

一番最初に話を聞いた時には、反対していたファムもいつの間にか、乗り気になっている。リラが余計な事を言ったからかとサントは思う。人数が集まらなかったから諦めるという選択肢は無いようだ。コトが自分から諦めてくれれば良いのにと考えていたサントは少しがっかりした。

サント、リラ、ファムを入れて全部で八人の盗賊団となった。

「よし、新闇黒団の結成だ。闇黒団の名前を引き継いだ我々が兄貴たちの敵を討つんだ」

そう新しく団長になったコトが宣言した。

「盗賊見習いが団長なんて一気に昇進じゃないかい」

ファムは意地悪そうに、可笑しそうにそう呟いた。
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