竜探しのお話

hachijam

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6章.隠された都市

17.

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すでにお馴染と言う感じで、新闇黒団の団員たちはいつもの道具屋に集まっていた。聞けば、この道具屋はドンゴの知り合いが経営しているところだそうで、そのため、コトが自由に使えるのだという。だから、情報が筒抜けであった事をサントたちは知っていた。コトの方は気が付いているのかどうか、分からなかったが、気にはしていなかったようだ。

ドンゴが自分のしたい事を邪魔するはずがないと分かっているのかもしれない。能天気なんだか、したたか何だか良く分からない。そういうところは、親子で似ているのかもしれないとサントは少し思った。

コトはさっそく行動を起こしたいと考えていた。自分が団長になったからには、積極的に活動してその名前を広めたいと思ったのだ。コトが慕っていた兄貴たちの敵を討つためにも、盗賊団の名前が知られないと思っていた。しかも、盗賊見習いの時、コトはなかなか行動を起こそうとしなかった盗賊団に不満を抱いていた。自分ならそうしないと思っていて、それを行動で示すべきだと思った。

しかし、具体的にどうすれば良いのかと言う計画までは考えていなかった。だから副団長であるリラにやる事を相談し、サントやファムに助言を求めた。義賊となると言ってしまった手前、盗みに入るとすれば、あくどい商売をしている商人のところとかどうだろうか。すぐに候補がいくつか上がる。しかし、名前がすぐに上がるようなところは、かなり有名なところで、そこにいきなり入るというのは勇気が必要だった。駆け出しの自分たちで大丈夫なのだろうか。そういう不安がよぎる。でも、団長として、そんな弱気を見せる訳にはいかなかった。

強気なふりをしているのは、ファムにはすぐに分かった。からかって遊ぶのも面白そうだったが、それよりも上手く動かして情報を集めるのに役立てた方が良いと考えた。ファムは、コトに情報の重要性を教え、すぐに動くのは危険だと説明する。コトはすぐにそれには理解を示した。父親の姿を見ているからなのか、そういう頭の働かせ方も似ているのかもしれないとサントは思う。

そして、ファムは具体的な提案として、リラの意見を聞くように勧めた。それは文字通り、街を清掃するという事だった。怪訝な表情を浮かべるコト、それに対して、団長として器が大きい所を見せた方が良いと言うファム。すぐにその言葉に乗せられてしまう。おだてに弱いのは良いのか悪いのか、少なくともドンゴとは違う部分だとサントは思った。
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