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6章.隠された都市
19.
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「それではみなさん、準備はよろしいですか?」
リラの元気な声が響いた。しかし、誰も返事をしない。
ドスッとファムがコトのお尻を蹴った音が響いた。
「痛ッ」
とコトが振り返ると、ファムが返事をしろという表情をする。
「ファムさん、乱暴はよしてください」
リラが気付いて言う。悪い悪いと言いながら、ちっとも悪びれていないファム。
「ええと、では、もう一度、みなさん、準備はよろしいですか」
「…はーい」
今度は小さいながらも返事が返ってきた。ファムは満足そうに頷き、リラも嬉しそうに続ける。
「では、ここから清掃を始めます。みんなの街を綺麗にするために頑張りましょう」
また、返事は無い。今度は小さく、ドスッという音が響き、
「はーい」
と言う声が続いた。
「一体、どういう事なんだよ」
そう問い詰められていたのは、コトだった。当然だろう、サントは自分も掃除をしながら思った。
「いや、だから、これはあれだ。作戦だ。相手を油断させるための」
必死の言い訳をしている。
「本当か?」
疑いは少しも消えてい無いようだ。コト自身、本当に納得しているのか分からないから、ちゃんとした事を言えない。でも、団長として決めた事をやらない訳にもいかなかった。
「これは、団長と副団長が考えた計画だよ。だから安心しな」
そう口を出したのは、ファムだった。この中で一番、実戦経験のあるファムの言葉は重かった。本当にそういう作戦だと思ってしまう。茶番だろうと思っていた、サントももしかしたらと感じてしまった。
「もし、協力できないのであれば、辞めてしまっても構わないよ。それだけの覚悟が無いと出来ないんだよ」
ファムにそんな権限があるのか分からなかったが、説得力は感じる。
「分かりました」
しぶしぶと言う感じで言う。本当に納得したようには見えなかった。
「大丈夫、団長と副団長を信じれば間違いないから安心しな。なあ、団長?」
「ああそうだ。俺に任せておけ、大丈夫、計画は失敗しないから」
団長と言われて、急に自信を取り戻したのか、コトはそう言った。
リラは率先して街の清掃をしていて心の底から楽しんでいるようだった。ファムは自分の企みが上手くいっているというように、怪しげな笑みをサントに向けてきた。サントもどちらかと言えば、どうして自分がこんなことをしているのか疑問に思っていたが、他に手段がない以上、今はファムに従うのが賢明だと思った。しばらくはこんな風に様子を見ながら、ラテアが情報を握ってくるのを待つしかないのかと思った。
リラの元気な声が響いた。しかし、誰も返事をしない。
ドスッとファムがコトのお尻を蹴った音が響いた。
「痛ッ」
とコトが振り返ると、ファムが返事をしろという表情をする。
「ファムさん、乱暴はよしてください」
リラが気付いて言う。悪い悪いと言いながら、ちっとも悪びれていないファム。
「ええと、では、もう一度、みなさん、準備はよろしいですか」
「…はーい」
今度は小さいながらも返事が返ってきた。ファムは満足そうに頷き、リラも嬉しそうに続ける。
「では、ここから清掃を始めます。みんなの街を綺麗にするために頑張りましょう」
また、返事は無い。今度は小さく、ドスッという音が響き、
「はーい」
と言う声が続いた。
「一体、どういう事なんだよ」
そう問い詰められていたのは、コトだった。当然だろう、サントは自分も掃除をしながら思った。
「いや、だから、これはあれだ。作戦だ。相手を油断させるための」
必死の言い訳をしている。
「本当か?」
疑いは少しも消えてい無いようだ。コト自身、本当に納得しているのか分からないから、ちゃんとした事を言えない。でも、団長として決めた事をやらない訳にもいかなかった。
「これは、団長と副団長が考えた計画だよ。だから安心しな」
そう口を出したのは、ファムだった。この中で一番、実戦経験のあるファムの言葉は重かった。本当にそういう作戦だと思ってしまう。茶番だろうと思っていた、サントももしかしたらと感じてしまった。
「もし、協力できないのであれば、辞めてしまっても構わないよ。それだけの覚悟が無いと出来ないんだよ」
ファムにそんな権限があるのか分からなかったが、説得力は感じる。
「分かりました」
しぶしぶと言う感じで言う。本当に納得したようには見えなかった。
「大丈夫、団長と副団長を信じれば間違いないから安心しな。なあ、団長?」
「ああそうだ。俺に任せておけ、大丈夫、計画は失敗しないから」
団長と言われて、急に自信を取り戻したのか、コトはそう言った。
リラは率先して街の清掃をしていて心の底から楽しんでいるようだった。ファムは自分の企みが上手くいっているというように、怪しげな笑みをサントに向けてきた。サントもどちらかと言えば、どうして自分がこんなことをしているのか疑問に思っていたが、他に手段がない以上、今はファムに従うのが賢明だと思った。しばらくはこんな風に様子を見ながら、ラテアが情報を握ってくるのを待つしかないのかと思った。
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