竜探しのお話

hachijam

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6章.隠された都市

28.

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「少しは話す気になってくれたか?」

「…」

ラテアが何も返事をしないと、ヌラははぁとため息をついた。

「まあ、良い。ここまで聞いてしまったんだから、最後まで聞け」

ラテアは少しだけ覚悟を決めた。

「それでだ。この間の襲撃は、これを狙ってきている」

少し話が見えてきた。

「どうしてですか?」

「さあな。狙っている奴に聞いてくれ」

ゴーレムが欲しいんだろうか。だったら出来上がってから狙うべきだろう。だったら、ゴーレムが存在してはまずいと考える人がいるという事だろうか。確かに巨大なゴーレムとなると危険性を訴える人は出てきそうだとは思った。

ドンゴは知っているのだろうか。ドンゴのところから来た事で疑念を持たれていた事をラテアは思い出した。だとしたら、知っているだろう。ドンゴは本当に自分たちに協力するためだけにここを紹介したのだろうか。いろいろと疑念が浮かんできた。

「ドンゴさんはこれを手に入れたがっているんですか?」

思い浮かんだことをラテアは尋ねた。

「やっぱりな、そういうのも知らないでここに来たんだな」

ヌラは納得したように言う。

「で、どうする。話してくれるか?」

「…」

ラテアは何も言えなかった。

「なるほど。それだけ、口が堅いという事か。でも、それじゃあ、自分に秘密があります。何か探っていますって言っているのと同じだとは思わないか?」

そう言われて、何も知らない、ゴーレムの事を知りたがっているだけと主張すべきだった気が付いた。でも、それは白々しい気もするし、今更言ってもしょうがない事だと思った。

「そうか、うん。そうだな」

その姿を見て、ヌラは一人で納得する。

「よし、俺はお前を信じる事にした」

それは思ってもいなかった答えだった。本当に?と逆に戸惑ってしまう答えだった。

「何だよ。信じられないのか、じゃなきゃ、こんな大事な事教えないだろう」

それはそうかもしれないが、そもそも何を信じるというのだろうか。

「俺はこのゴーレムを完成させたい。そのためには、何でもするつもりだ。お前が何を企んでいるのか、正直、良く分からないが、とりあえず、邪魔をする奴では無いようだ。だったら、俺はお前を信じてやるよ」

じっと見て言う。

「お前がゴーレムづくりに協力する以上、お前が何をやっても何も言わない。ただし、ゴーレムを作るのを邪魔したら、許さない。どうだ、この条件は?」

一方的に言われても何も言い返せないラテアだった。そんなラテアを見て、ヌラは豪快に笑った。
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