竜探しのお話

hachijam

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6章.隠された都市

36.

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面倒くさい事をする。ファクネティはそう思った。でも、ネカスイマが嫌がらせで仕組んだとも思えなかった。恐らく相手を見極めるための企みだったのだろう。急に乗り込んでくるところまで想定していたかは分からなかったが、ほぼ完ぺきな出来だったのだろう。自分の驚いているところを見れたところも、ネカスイマが満足している理由かもしれない。

期待通りの結果である事を考えれば、それくらいの事は大目に見ようと思う。さて、どう話を付けるか、それが重要になる。ネカスイマの言ったことに戸惑っているようだが、相変わらず、敵意は自分たちに向けられていた。



今、目の前の執事のような男が言った言葉の意味をファムは考えていた。

(お会いしたがっていた方たち…)

確かにそう言った。それが本当ならば、自分たちははめられたという事なのか。そう思った時に、リラが感じていた違和感の正体がわかった気がした。リラは、そのゴミの不自然さに気が付いていたのではないだろうか。ファムはそれが隠せないものが明らかになったと思っていたが、そうでは無く、意図的にわざと不自然に細工したのではないかとリラは気付いたのではないか。

それがはっきりとした形になっていなかったので、明言する事が出来なかったが、感覚として、それを認識していたのではないかとファムは悟った。リラだったら、それはありそうだと思った。もっと、注意すべきだったと思う。でも、今、それを考えている場合ではない、現状をどうするかを考えなければいけない。

幸い、すぐに襲ってくるという事では無いようだ。会いたがっていたという事は話を聞きたいという事だろうか。でも、何の話をそう考える。サントの方を向くと、自分と同じような顔をしていると思った。おそらく、状況は呑み込めているはずだ。

「ご面倒をおかけしたようで」

男はファクネティと名乗る。執事のような男はネカスイマと言うそうだ。紹介されて頭を下げた。ファムとサントはどう対処していいか、考えている。

ファクネティは椅子に座るよう促す。

「そうですね。警戒しますよね。それでは、まず、さきほどの件から。お連れしなさい」

ファクネティはそう言うと、ネカスイマに合図を送る。ネカスイマは頭を下げて、一旦、その場を去ると、男とコトと共に再び現れた。コトは顔を青くして意識朦朧という感じだった。男に支えられて辛うじて立っているというような状態だった。

サントはファクネティの事をじっと睨んだ。
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