竜探しのお話

hachijam

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6章.隠された都市

37.

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「一応、断っておきますが、私たちが何かをしたわけではありませんよ」

ファクネティは落ち着いた口調で言う。

「勝手に来て、勝手に大騒ぎして、勝手に気分が悪くなったようです」

手を広げて、呆れたように言った。

「おそらく、その通りだと思うよ」

ファムが言った。

「でも、何かをしようとしたから、それを察したんだろう。前にあった事を思い出してね」

ファクネティは首を傾げる。そして、

「その男の事を知っているのか?」

と、コトを支えている男に尋ねた。

「…以前、討ち漏らした男です」

「あー、そうですか。ごめんなさい。そこまでは知らなかった」

本当に申し訳なさそうにファクネティは言った。

「なるほど、それは驚きますね。また、危ない目にあうと思ったというところでしょうか。そんな方がわざわざおひとりで来ているとは、思わなかったです。これは申し訳ない事をした」

ネカスイマもそこまでは想像していなかっただろう。やはり、完ぺきな計画では無かったんだなと思い、ネカスイマの方を見る。全くの無表情で気にしていないふりをしているが、内心では驚いているようにも見えた。

「それでご用事は?」

ファクネティが聞く。

「それはこちらのセリフだよ。どうやら、あんたがたの企みによって、私たちはここにいるみたいだから、あんたたちの要件の方が聞いてみたいよ」

それはそうだ。相手の考えは分かる。こちらを妨害しようとしている事は明白だ。だったら、どう答えるべきだろう。ファクネティは考えて言った。

「なるほど。ところであなた方は私たちの事をどれくらいご存じなのですか?」

「さあね。ろくでもない奴らだってことぐらいだね」

ファムは吐き捨てるように言った。

「これはなかなか手厳しい。まあ、否定はしませんが」

「それで?」

サントが先を促すように言う。ここで言い合ってばかりでは話が進まないと思ったからだ。ファムもその意図に気づき黙る事にした。

「遠回しに言っても時間の無駄になりますから、率直に伺いましょう。私たちのお手伝いをしてはいただけないでしょうか?」

「手伝いって何を?」

「ご存じのはずでは?」

「さあ。お掃除でもするのか、その手伝いか?」

「そうですね。はっきりと言っておきましょう。この街に隠されたすべてを明らかにすることです」

どこか自分に酔っているようにサントは感じた。ファムはこいつは何を言っているんだと思った。しかし、どうやら単純に街を襲う、襲わないという話ではないように感じた。
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