竜探しのお話

hachijam

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6章.隠された都市

38.

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「この街の秘密って何だ?」

ファムの質問に、ファクネティは手を広げて答えた。

「さあ。それが分かっていれば、私たちがこんなことをする必要はないんです」

「呆れたな」

本当に呆れたようにファムが言う。

「そんな不確かな事のために、街を襲って、若い連中を殺して、そして、その手伝いを私たちにしろと?冗談だろ」

「冗談に思います?」

不敵に笑いながら言う。

「冗談じゃないだろう。本気なんだろう」

サントはそう言った。

「だから、俺たちの返事ははっきりしている。断る」

「ああ、そうですか。それは残念です。そちらにとっても魅力的な話だと思ったのですが…」

「どこがだ」

吐き捨てるようにファムが言った。

「あなたたちが知りたがっている事を私が知っていると言っても?」

「ふん。私たちの事なんて、知りもしないくせに、私たちが何を知りたがっているというんだ」

「なるほど。それはそうですね。でも、知ってますか?ここの街には世界の様々な情報が集まるという事が?」

「…?」

何を言っているんだろうとサントは思う。ファムも顔をしかめて、様子を伺う。

「そうですね。まあ、私も少し耳にしただけの噂話です。とある、竜の研究が盛んに行われている街で、竜を見かけた何て噂があります。しかも、その竜をこの近くでも見たなんて話があるんですよ」

自分たちの事だと、ファムは思ったが、その事を悟られないように表情を変えないように努力した。しかし、サントの表情は分かりやすく変わっていて、その努力は無駄に終わった。

「先日、このアフタが見かけたそうです」

コトを支えている男を指して、ファクネティがそう言った。

「私も闇雲にこの街を襲撃している訳じゃない。いろいろと情報を集めて計画を練っているのです。その中に竜を見かけた話や、この街と関わりがある竜の研究所の所長、副所長が亡くなった、姿を消した何て話を聞いたら興味がわくのは当然だと思いませんか?」

どこまでの事を知っているのか、サントは考えた。でも、話しぶりからすると核心には迫っていない気もする。話を要約すれば、手伝えば、情報を提供してやるというぐらいの印象しか受け無かった。

「だからどうだと?」

そう強気にサントは言った。

「なるほど。私たちの情報は必要ないと?」

「あんたたちがどこまでの情報を知っているのかは分からない。でも、あんたたちのやり方は認められない。だから、協力できない。それだけだ」

サントは力強く言い切った。ファムもその言葉に頷いた。
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