竜探しのお話

hachijam

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1章.出会い

10.

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「やっぱり、マコトノモノは違うね」

そこに姿を現したのは、テテだった。

「マコトノモノ?」

「そうだよ。サント君。君とは違って、この子はマコトノモノなんだよ。僕には、はっきりと分かる」

「どういう事だ?」

「さあ、それは本人に聞いてみた方が早いよ」

テテはどこか嬉しそうだった。

「君は竜探しなのかい?」

「竜探し?」

サントの問いかけにリラはなんと答えて良いのか分からなかった。

「そうか、本人には自覚が無いんだ。なるほどね」

「何がなるほどなんだよ。分かるように説明しろ」

「仕方ない、それも僕の役割かもしれないからね」

テテはそう言うと、リラに竜探しについて、マコトモノ、マガモノについて、順番に説明していく、それは以前、サントに説明した物と同じだった。

「…そして、君がそのマコトノモノだという事だよ。本人に自覚が無いから、どこでどう呪いを受けたのかは分からないけどね。あの木を見た時にもしかしたらって思ったんだけど、君に会って、あの魔法を見たら、間違いないって分かったよ」

「えっ、じゃあ、私は竜を探さないといけないの?」

「そりゃそうだよ。何しろ、竜探しだからね」

リラは困惑している。

「マガモノとは言え、竜探しのほんのちょっと先輩のサントもいるし、僕もいるし丁度良いじゃないか」

テテは無邪気に言った。

「何言ってるんだ。いきなり竜を探せ、冒険をしろなんて無理に決まっているだろ」

「そんな事ないでしょ。サントよりも遥かに強力な魔法を使えるんだよ」

「だからって…」

「それにね。僕は出来れば早く旅に出た方が良いと思うよ」

「どうして?」

リラが恐る恐ると言う感じで尋ねた。

「よく考えてごらん。この村の近くで魔物が多くなったのはいつ?リラの魔法の力が強くなったのはいつ?魔物に襲われている時にいたのは誰?」

それは恐らくリラが気にしていた事で、村の人間もそうではないかと思っていた事だったのだろう。リラの顔は青ざめていた。

「私のせいなの?」

「竜の力は魔物を引きつけるからね。しかも、ひとつの場所に入れば、その力は徐々に強まっていく。まだ、引きつける力が弱い内は良いけど、強くなったらどうしようもなくなるよ?」

「…」

「…」

言葉に詰まるリラとサント。

「まあ、リラは竜の力があるから、大丈夫だと思うけど。他の人たちはどうだろうね」

「おい、いい加減に…」

サントがそこまで言った時、リラは決意したように立ち上がった。

「分かった。私、竜を探しに行く」

そう決意を込めてリラは言った。
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