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2章.付与師
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リラが竜を探す冒険に出ると決めると話は一気に進んだ。それはサントが戸惑うほどであった。その一番の理由はリラが幼い頃に両親と死に別れていて、親せきや兄弟と言った身内がひとりもいなかったからだった。親代わりでこれまで面倒を見ていた宿屋の女将は、一応、引き留めはしたが、リサの決意が固い事を知るとあっさりと引き下がった。最近のリラを持て余したというのも本心だったかもしれない。ちょっと安堵した表情をしていたのにサントは気が付いていた。恐らくそれはリラもだろうとサントは思っていた。だから、それ以上、余計な事は言わないようにした。それでも旅立ちの時には寂しかったらしく、女将もリラも涙を浮かべていた。
サントは女将に旅の直前、
「リラに何かあったら、あんたを絶対に許さないからね」
と女将に言われた。その言葉を聞いて、
(結局、大事にはされてたんだな)
とサントは思った。
サントとリラはノリントバーグへと向かっていた。ノリントバーグは交易都市で行きかう人々が多く各地の情報がいろいろと集まっている。この先、どこに向かうのをかを考えるのにも、丁度良い場所だった。サウステイルからノリントバーグへ真っ直ぐと向かうには、大きな森をひとつ抜ける必要があった。それほど危険な森とは言われていなかったが、サントはまだまだ駆け出しの冒険者であったし、リラも森には少しは慣れていたが初めての冒険である事を考えると少しでもリスクを考えたいと思っていた。少し遠回りになるが、一度、街道に戻って進んだ方が安全だと判断した。
その道中の事である。そこまでは特に問題も無く旅は続けられていた。何度か魔物に襲われる事はあったが、ゴブリン、コボルトが二、三匹出るくらいだったので、サントもリラも竜の力を使う事も無かった。ノリントバーグまではまだ少しあったが、このまま行けば問題なくたどり着けるというところまでは来ていた。
その日は街道沿いにある、小さな村、パスの村までもう少しと言うところまでたどり着いていた。これなら夜までにはパスの村にたどり着く事が出来そうだとサントは思っていた。そう考えていたところで、悲鳴が聞こえてきた。
少し先の方だと判断したサントはすぐに駆け出した。リラも遅れないようについていった。一人の男が道に倒れていた。その男の目の前にいたのはコウモリ系の魔物、ダークバットだった。群れになって男を囲んでいる。
サントは男を助けるため剣を抜いた。
サントは女将に旅の直前、
「リラに何かあったら、あんたを絶対に許さないからね」
と女将に言われた。その言葉を聞いて、
(結局、大事にはされてたんだな)
とサントは思った。
サントとリラはノリントバーグへと向かっていた。ノリントバーグは交易都市で行きかう人々が多く各地の情報がいろいろと集まっている。この先、どこに向かうのをかを考えるのにも、丁度良い場所だった。サウステイルからノリントバーグへ真っ直ぐと向かうには、大きな森をひとつ抜ける必要があった。それほど危険な森とは言われていなかったが、サントはまだまだ駆け出しの冒険者であったし、リラも森には少しは慣れていたが初めての冒険である事を考えると少しでもリスクを考えたいと思っていた。少し遠回りになるが、一度、街道に戻って進んだ方が安全だと判断した。
その道中の事である。そこまでは特に問題も無く旅は続けられていた。何度か魔物に襲われる事はあったが、ゴブリン、コボルトが二、三匹出るくらいだったので、サントもリラも竜の力を使う事も無かった。ノリントバーグまではまだ少しあったが、このまま行けば問題なくたどり着けるというところまでは来ていた。
その日は街道沿いにある、小さな村、パスの村までもう少しと言うところまでたどり着いていた。これなら夜までにはパスの村にたどり着く事が出来そうだとサントは思っていた。そう考えていたところで、悲鳴が聞こえてきた。
少し先の方だと判断したサントはすぐに駆け出した。リラも遅れないようについていった。一人の男が道に倒れていた。その男の目の前にいたのはコウモリ系の魔物、ダークバットだった。群れになって男を囲んでいる。
サントは男を助けるため剣を抜いた。
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