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2章.付与師
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泉には何事も無くたどり着く事が出来た。そこはどこか神秘的な力を秘めている感じがした。その周りにだけ、木が無く、月明かりが照らすというのが良く分かった。
「このまま汲めば良いんでしょうか?」
リラは大役を任されて戸惑っていた。
「ええっとですね。まずは魔力を高めてもらって、それで汲んでください。そうじゃないとダメです」
ラテアが説明する。
「魔力を高める?」
「ええ、普段、魔法を使うような形です」
「普段、魔法を使う?」
「ええ、具体的に呪文を唱えながらやってみたら良いと思います」
「分かりました。えいっ」
そう気合を込めると呪文を唱える。火球の魔法だ。いきなりの魔法でサントはちょっと身構えた。でも、出てきたのは、小さな火球だった。
「えっ」
と驚いたのはラテアだった。
「あの、それで全力ですか」
「はい」
リラはちょっと照れたように返事をした。
「参ったな。これじゃあ、ダメかもしれない。どうしたら良いんだろう」
ラテアは困ったように頭を抱えた。
「竜の力を使うしかないんだろうな」
サントが言う。
「でも、私、あの力は自由には使えません」
リラも困ったように言う。
「竜の力?どういう事ですか?」
ラテアがサントに尋ねた。
「都合よく魔物でも現れてくれたら助かるんだけど」
サントはラテアの問いかけを無視して、周囲を見回す。すると、本当に都合よく、ゴブリンの姿があった。しかも、視線がぴったりと合ってしまった。
「運が良いんだか、悪いんだか」
サントは敵意をむき出しに襲ってくるゴブリンをリラの方に誘導した。ゴブリンに気が付いたラテアが撃退しようとするが、それを静止して、その場から離れるように促す。
「でも…」
「いいから、離れないとこっちが危険だ」
躊躇するラテアをサントは強引にどかした。リラはすぐにサントの意図を理解する。意識を集中すると、魔力が集まってくるのを感じた。自分の体が白い光に包まれたと思ったと同時にさっきと同じ呪文を唱える。最初に現れたのは、さっきと変わらない大きさの火球だった。しかし、一瞬の後、それは一気に巨大化する突進してきたゴブリンは避ける間もなく、その火球に突っ込んでしまい、火球と共に跡形も無く姿を消した。
「いまだ、早く水を汲め」
衝撃波と熱波が通り過ぎた後、サントはそう言った。光に包まれたままのリラは言われた通り、泉の水を汲んだ。
「これで良いんだろ」
呆気に取られたまたのラテアに向かってサントは言った。
「このまま汲めば良いんでしょうか?」
リラは大役を任されて戸惑っていた。
「ええっとですね。まずは魔力を高めてもらって、それで汲んでください。そうじゃないとダメです」
ラテアが説明する。
「魔力を高める?」
「ええ、普段、魔法を使うような形です」
「普段、魔法を使う?」
「ええ、具体的に呪文を唱えながらやってみたら良いと思います」
「分かりました。えいっ」
そう気合を込めると呪文を唱える。火球の魔法だ。いきなりの魔法でサントはちょっと身構えた。でも、出てきたのは、小さな火球だった。
「えっ」
と驚いたのはラテアだった。
「あの、それで全力ですか」
「はい」
リラはちょっと照れたように返事をした。
「参ったな。これじゃあ、ダメかもしれない。どうしたら良いんだろう」
ラテアは困ったように頭を抱えた。
「竜の力を使うしかないんだろうな」
サントが言う。
「でも、私、あの力は自由には使えません」
リラも困ったように言う。
「竜の力?どういう事ですか?」
ラテアがサントに尋ねた。
「都合よく魔物でも現れてくれたら助かるんだけど」
サントはラテアの問いかけを無視して、周囲を見回す。すると、本当に都合よく、ゴブリンの姿があった。しかも、視線がぴったりと合ってしまった。
「運が良いんだか、悪いんだか」
サントは敵意をむき出しに襲ってくるゴブリンをリラの方に誘導した。ゴブリンに気が付いたラテアが撃退しようとするが、それを静止して、その場から離れるように促す。
「でも…」
「いいから、離れないとこっちが危険だ」
躊躇するラテアをサントは強引にどかした。リラはすぐにサントの意図を理解する。意識を集中すると、魔力が集まってくるのを感じた。自分の体が白い光に包まれたと思ったと同時にさっきと同じ呪文を唱える。最初に現れたのは、さっきと変わらない大きさの火球だった。しかし、一瞬の後、それは一気に巨大化する突進してきたゴブリンは避ける間もなく、その火球に突っ込んでしまい、火球と共に跡形も無く姿を消した。
「いまだ、早く水を汲め」
衝撃波と熱波が通り過ぎた後、サントはそう言った。光に包まれたままのリラは言われた通り、泉の水を汲んだ。
「これで良いんだろ」
呆気に取られたまたのラテアに向かってサントは言った。
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