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3章.槍使い
12.
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リラは女に魔法で対抗しようとする。女はリラの様子を見て、魔法を恐れているのか、一定以上の距離を取らないようにする。その間合いは絶妙である。
槍の腕は相当なものだと、ラテアは思った。どうやって援護すべきか迷う。本来なら自分が率先して戦うべきなんだろうが、二人の間合いになっていて、その間に入る事が出来ないでいた。
リラの魔法が決まるかどうかがポイントだと思った。女の方はそこまでリラが脅威ではないと思っているようだ。余裕と言うか、油断がうかがえる。チャンスはあると思った。
相手の実力は上だと思ったが、リラが魔法を掛けたと同時に自分も攻撃すれば勝機はあると思った。後はリラの力が暴走しないことを祈るだけだ。恐らく大丈夫だと思っていたが、それほど緊張感がある場面で、リラの力を試している訳でも無かった。一瞬のチャンスを逃さないように構える。
その瞬間、女はまず、ラテアに向かって視線を向けた。予期せぬ視線にたじろぐ、一瞬の笑み、それに戸惑った瞬間を逃さず、ラテアに向かって女が攻撃を仕掛けてきた。鋭い突きである。ラテアはその攻撃を予想する事が出来なかった。慌てたのはリラだった。魔法を唱えようとするが、瞬時に反応できなかった。その気を逃さず、女はリラの後ろに回ると、腕をねじ上げた。
「悪いね。お嬢ちゃん。もうふざけている時間は無いんだ」
女はラテアをけん制しながらそう言う。その口調にはだいぶ余裕が感じられる。まだ、全然本気は出していないようだった。
と、その時、奥から爆発したような音が響いた。音に驚く三人。
「なあ、あんた」
ラテアは状況を整理しようと頭の中で考えながら女に話しかけた。
「あ?」
「あんたの狙いはその槍なんだろ?」
「…」
「じゃあ、あの音は何なんだ?」
また、別の爆発音が聞こえてきた。
「さあ、私は屋敷の周りをうろついていたら、何やら騒がしかったから、どさくさで中に入っただけだよ」
「…」
「もしかして、侵入者は別にいるのか」
ラテアは呟くように言った。
「さあな。竜の魔槍があるなんて、自慢げに語っていたら、それを狙う馬鹿どもはいくらでもいるだろう。私と違って、本物の盗賊とかな」
「じゃあ」
「サントさんが危ない」
リラは女の手を振りほどくと、音のした方向に向かって走り出した。慌てて、ラテアもその後を追う。
「えっ、あっおい、くそ。何がどうなってるんだよ」
女はその場においておかれて悪態をついた。
「ちっ」
何でか分からないが、舌打ちをすると女もその後に続いた。
槍の腕は相当なものだと、ラテアは思った。どうやって援護すべきか迷う。本来なら自分が率先して戦うべきなんだろうが、二人の間合いになっていて、その間に入る事が出来ないでいた。
リラの魔法が決まるかどうかがポイントだと思った。女の方はそこまでリラが脅威ではないと思っているようだ。余裕と言うか、油断がうかがえる。チャンスはあると思った。
相手の実力は上だと思ったが、リラが魔法を掛けたと同時に自分も攻撃すれば勝機はあると思った。後はリラの力が暴走しないことを祈るだけだ。恐らく大丈夫だと思っていたが、それほど緊張感がある場面で、リラの力を試している訳でも無かった。一瞬のチャンスを逃さないように構える。
その瞬間、女はまず、ラテアに向かって視線を向けた。予期せぬ視線にたじろぐ、一瞬の笑み、それに戸惑った瞬間を逃さず、ラテアに向かって女が攻撃を仕掛けてきた。鋭い突きである。ラテアはその攻撃を予想する事が出来なかった。慌てたのはリラだった。魔法を唱えようとするが、瞬時に反応できなかった。その気を逃さず、女はリラの後ろに回ると、腕をねじ上げた。
「悪いね。お嬢ちゃん。もうふざけている時間は無いんだ」
女はラテアをけん制しながらそう言う。その口調にはだいぶ余裕が感じられる。まだ、全然本気は出していないようだった。
と、その時、奥から爆発したような音が響いた。音に驚く三人。
「なあ、あんた」
ラテアは状況を整理しようと頭の中で考えながら女に話しかけた。
「あ?」
「あんたの狙いはその槍なんだろ?」
「…」
「じゃあ、あの音は何なんだ?」
また、別の爆発音が聞こえてきた。
「さあ、私は屋敷の周りをうろついていたら、何やら騒がしかったから、どさくさで中に入っただけだよ」
「…」
「もしかして、侵入者は別にいるのか」
ラテアは呟くように言った。
「さあな。竜の魔槍があるなんて、自慢げに語っていたら、それを狙う馬鹿どもはいくらでもいるだろう。私と違って、本物の盗賊とかな」
「じゃあ」
「サントさんが危ない」
リラは女の手を振りほどくと、音のした方向に向かって走り出した。慌てて、ラテアもその後を追う。
「えっ、あっおい、くそ。何がどうなってるんだよ」
女はその場においておかれて悪態をついた。
「ちっ」
何でか分からないが、舌打ちをすると女もその後に続いた。
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