竜探しのお話

hachijam

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3章.槍使い

14.

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その時、ドタっと音を立てて部屋に飛び込んできたのはリラだった。驚く男に対して、リラは連続して魔法を唱える。

「えっえっえっ」

男が戸惑うほどの火球、氷矢、雷撃が襲い掛かる。ひとつひとつの魔法の威力は大したことが無かったが、それが連続して襲ってくるのだからたまった物では無かった。

防戦一方の男。ラテアが続いて中に入り、激痛に耐えているサントの元に駆け寄った。これが竜の呪い、サントの様子を見て、その激しさをラテアは知った。男はリラの魔法を受けながら、

「お前ら、ふざけんなよ」

と切れたように呟いた。それまでのふざけたような口調とは一変した。一瞬、ひるむリラ。その瞬間を逃さず、男は自身の魔法で壁を作った。リラは、はっとして、再び魔法で攻撃を仕掛けたが、威力が足りず、壁を破る事が出来なかった。

「お前ら、まとめて死ね」

壁の向こう側で魔力を高める男。一瞬の静寂。リラは魔力を高めようとするが、間に合いそうも無かった。

「あー、もうやけくそだよ」

そう言いながら現れたのは、二人を追ってきた女だった。

「援護しろ」

そうリラとラテアに向かって言うと、一撃を加えるために飛び込んだ。男は女に気が付いて、まず、女に攻撃を加えようとした。注意が一瞬、逸れたのを見て、ラテアも攻撃を仕掛ける。男はラテアの攻撃にすぐに反応し、距離を取る。同時に女の攻撃も避けた。

「ふん」

離れた位置から体勢を整え、男が、再び、魔法で攻撃しようとする。魔法の攻撃をさせないために女が連続して攻撃を仕掛ける。ラテアも隙を逃さず攻撃を仕掛けた。なかなか、攻撃が出来ないまま、男がいらいらし始めた時、部屋にバリンと言う音が響いた。

「ん?」

それは男の魔法の壁が壊された音だった。誰だ、あの小娘の魔法じゃ、この魔法の壁は壊せないはず、男はそう思っていた。そして、巨大な氷矢が目の前にある事に男は気が付いた。

「何だこれ」

見た事の無い大きさの氷矢に驚く男、必死に魔法で壁を作って防ごうとするが、それは全く無意味だった。再び、バリンと言う音が鳴り響き、氷矢が男に直撃した。そのまま、男は意識を失った。

改めて竜の力の凄さを思い知らされたラテアは呆然とそこに立ち尽くしていた。そんなラテアを尻目に倒れているサントの元に駆け寄るリラ。女は何が起こったのか良く分からないまま、倒れている男の元に近づくと、身動きが出来ないように紐で縛り上げ、気を失っていた警備兵を起こした。

「何やっているんだ、私は」

女はそうつぶやいて、大きくため息をついた。
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