異世界最強勇者の逃亡生活 〜旅する仲間は俺の弟子〜

かなちょろ

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第27話【裏ギルドの存在】

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「待たせた、町の方はどうだ?」
「おっそーい! どこに行ってたのよ!」
「ちょっと気になる奴がいたんでな……それで?」
「ああ、町の魔物は俺様が全部倒した」
「私もでしょー!」
「さすがだね、それじゃ帰りますか」

 裏ギルドの3人は森の中で落ち合うと、ラフィーレの剣で空間を切り裂き入って消えた。

「これは……酷いな……」

 俺が転移でタンガルの町までやって来た時には町の門は粉々に破壊され兵士や冒険者が怪我人を運んでいたりしていた。

 ディーン達は無事なのか?
 サーチでディーン達の魔力を探して転移で飛び、入口から入ると……。

「いやー、助かりました! 君のような年端もいかない子供がこれだけの魔物を倒すなんて、信じられんよ!」

 おっさんがディーンの手を持ってブンブンを振っている。

「あ、いや、僕だけじゃなくて……」
「そうか、そうか、そちらのお嬢さん方もだな、ほんっとうに助かった」
「そんな事にゃいニャ!」
「わ、私は大した事はしてません」

 ディーンは照れてルナは腰に手を当てエッヘンと胸を張ってドヤっている。 ライラも大した事はしていないのでと離れて行く。

「そちらのお嬢さんも、怪我を治してくれてありがとな、お嬢さんがいなかったらわしは死んでいたかも知れん」
「元気になってよかったです」

 リアンはこのおっさんの怪我でも回復してあげたんだろう。

「しかし君達は冒険者なのか?」
「いえ……あ! 師匠!」
「皆んな無事だったか?」
「僕達は大丈夫ですが……師匠……その傷は……」
「後で話す。 リアン、回復魔法をかけてくれないか?」
「はい!」

 リアンの回復魔法で傷は回復した。

「なんじゃ? 君はこの子らの保護者か?」
「ええまあ……」
「そうかそうか、ここではなんだ、上の部屋なら壊れていないじゃろう。 そこで話しをしたいのじゃがよいか?」
「……貴方は?」
「おう、忘れておった。 わしはこの町の領主【グルンス】じゃ、それじゃ部屋まで来てくれ」

 グルンスさんに連れられ無事な部屋に案内された。
 さすが商業の町の領主だけあって、部屋の内装は豪華だ。

「ここでよいか……今は屋敷の片付けで茶の用意もできんが勘弁してくれ」
「いえ、かまいませんが……俺達に何かごようですか?」
「うむ……まずは名前を教えてくれんか?」
「これは失礼しました。 私はマシオと言います。 この子達の保護者であり、一緒に旅をする者です」
「君達は冒険者では無く旅人と聞いたが……それは本当か?」
「ええ、本当です」
「この町にはなんのようで来たのだ?」
「馬車が欲しくて、探しに来たんです」
「そうか……しかし魔物の襲撃で今は無理じゃろうな……そこでじゃ、わしにはそこの者達に助けてもらった恩がある。 馬車の事はなんとかするが、町がこの有様ではまたいつ魔物が町を襲うかわからん。 そこでどうだ? 町がある程度復興するまで町の護衛をしてくれないか? もちろん礼ははずむぞ」

 確かに町がこのままだと馬車どころでは無い。
 また魔物が襲ってきたら馬車がいつまで経っても完成しないだろうし……。

「わかりました。 町が復興するまでならかまいません」
「そうか! いやー、助かる。 宿も私がもつからしばらく町の護衛を頼む」
「わかりました。 それでは失礼します」

 領主邸を後にして、領主であるグルンスさんの紹介状を持って宿に向かう。
 少しは優遇してくれるらしい。
 しかし……これだけの魔物を兵士と冒険者だけで倒せたのか?

「ふむ、ディーン何があったか説明してもらってもいいか?」
「はい」

 ディーンから話しを聞いた。
 領主邸の魔物はディーンとルナで倒したらしいが、町の魔物は俺の所にも来た裏ギルドの連中が倒したのか……少し調べた方が良さそうだな……。
 宿に付いて店主に紹介状を見せて一室を借りた。

「皆んなに話しがある」

 これから裏ギルドについて調べる事を告げた。

「俺の傷は魔族との戦いでついた……ちょっと油断してしまって危うい所を裏ギルドのラフィーレと言う奴に助けられた」
「裏ギルドの人にですか?」
「ああそうだ。 かなりの実力者だ……俺と互角かそれ以上かも知れない……」
「マシオ殿と互角……」
「町の魔物を倒したのも裏ギルドの連中なんだろ? あれだけの数を俺が来るよりも早く倒したんだ、実力はかなりのものだろう」
「そんな人達がいるなんて知らなかったです」
「俺も知らなかった、だから少し調べようと思う。 丁度町の復興がある程度終わるまで馬車は作れないからその間に調べてみる。 皆んなは復興の手伝いや魔物が来ないか注意しててくれ」
「わかりましたけど、マシオさん1人で行くのですか?」
「そうだな……それじゃライラとムーンさん、一緒に来てくれるか?」
「私ですか?」

 ディーンもリアンも一緒に行きたいと駄々をこねるが相手は実力者だ……もし襲われたら守れないだろう……。

「ムーンさんなら察知能力も高いし、今この中では1番の手練れだ。 ライラは機動力をいかしてもらう」
「……わかりました。 おともいたします」
「ママずるーい!」
「私はまだ先生を助けられる実力が無い……」
「僕もだ……」
「そう落ち込むな、2人とも強くなってるし、ルナはこっちで何かあった時の切り札だ。 俺が戻って来れなくなったりしたらライラに伝令を頼むから」

 翌日、俺はライラとムーンさんを連れて【エイダの町】へ転移しながら向かった。

「着いたぞ」

 タンガルからエイダの町まで転移でも1日半はかかった。

「もう着いてしまうとは……さすがマシオ殿です」
「そえね~、移動も楽だったし」
「魔力を温存しながらじゃ無ければ1日かからず着きましたけどね。 何かあったら大変ですから」

 途中何かに襲われない……なんてわからないからな。

「あそこがエイダの町ですか?」
「そうです。 俺は1度だけ中に入った事があります」
「そうでしたか、では門が閉まる前に急ぎましょう」
「まったまった、中には転移して入る。 ここは身分証が必要らしいからね。 どうやら俺はここではお尋ね者になってるから」
「わかりました」

 顔が見えないようにフードを被り2人を連れて転移して中に入ると、相変わらず活気のある町だ。

「凄い良い匂いがしますね」
「屋台が多いから、多分それだろうね」
「それでマシオ殿、どうやって調べますか?」
「そうだな……前に串焼きを買った店の人が裏ギルドの存在を知っていたから少し聞いてみようと思う」

 俺は串焼きの屋台を探しながら歩いていると、壁にはまだ俺の手配書が貼られている。

「あの手配書ってマシオ殿ですか?」
「……どうやらそうみたいなんだよ」
「似てないですね」
「そうだろ? でも俺を助けた裏ギルドの奴にはわかったみたいだからな」
「そうなんですね……う~ん……」

 ムーンさんは手配書をしみじみ見ているが首を傾げている。
 やっぱり似てないよね!?

「あ! 串焼き屋ありましたよ」

 ムーンさんが匂いでわかったのか、先に発見してくれた。

「すいません」
「お! いらっしゃい」
「串焼き3本もらえますか?」
「あいよ!」
「それとちょっとお聞きしたいんですが、裏ギルドについて何か聞いた事ありますか?」
「あん? 裏ギルド? バカ言っちゃいけねえ! 当然知ってるに決まってるぜ」
「どんな人達なんですか?」
「なんだい兄ちゃん、裏ギルドにでも入ろってか?」
「いえ、ただ小耳に挟みまして……気になったんです」
「そうかい……」

 もう少し探ってみるか。

「串焼き追加で3本ください」
「お! 気前いいねえ! それじゃ少し知ってる事を話してやろう」
「お願いします」

 先に焼けた3本を受け取り、焼きながら店主は話し始めた。

「裏ギルドってのは普通のギルドとは違って、特殊な人の集まりで冒険者って訳では無く、治安維持部隊なのさ。 魔物に襲われている町を助けに行ったりするな」
「なるほど……何人位いるんでしょうね?」
「さあな、そこまでは知らんよ……はいよ、焼けたぜ」
「どうもありがとうございます」

 ディーン達には悪いが1人2本で食べながら町の様子を見ていた。

「マシオ殿、ギルドに行けばもっと情報があるのでは?」
「確かにそうなんだろうけどな……正体がバレても困るからね」
「……私とムーン殿ならバレないのでは……?」
「あ! そうか……どうして気が付かなかった……、……それじゃ2人に頼むよ、気をつけて行って来てくれ」
「はい、任せて下さい」

 ライラとムーンさんはギルドに向かった。
 俺はこっそり後をつけるが、中にはさすがに入れないからな……裏ギルドの奴らがいたらバレる可能性がある。
 サーチなどの魔法も極力使わない方がいいだろうし、出てくるのをここで待つしか無いか……。
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