俺の魔力は悠々自適 〜精霊達と気ままな旅路〜

かなちょろ

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第65話 立ち向かうべき敵

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 ついにヴァテイントに勝つ事が出来た。
 勝つ為に無理をした為、死ぬ寸前にはなったけど……はは……。
 だが、気がつけば体の傷も癒えていた。
 その事を皆んなに聞くが、冷ややかな目で見られるのだった……。
 何故?

 プッスモリカに戻り、宿の部屋で召喚した皆んなに、これからの事を話し合いをしようと思ったんだけど……。

「ついにヴァテイントを倒したな。 あとはルーギィだけだ」
「そだな」
「そーですね」
「……」
「……兄ちゃん……」
「しょうがないにゃいにゃ~」
「ま、あれは仕方ないでしょ」
 
 皆んなの反応が塩過ぎる。

「次はルーギィを探しに何処に向かうんだ?」
「情報が少なすぎますわ」
「神出鬼没ですからね」
「ルーギィの魔力は全く感じないにゃ」
「兄ちゃん……ん~」
 
 マリスだけ口を尖らせて近寄ってくる。

「マリス、カケルが困ってるわよ」
「だって~」
「はいはい」
 
 近寄っているマリスの頭を撫でてやる。

「てへへ」

 ちょろいな。

「とりあえず、まだ町に残っている人に話しでも聞いてみよう」
 
 宿の外に出ようと部屋を出る。

 急に首飾りが光り、ルマが吸い込まれていく。

「カ、カケル! 急に吸い込まれる!」
「え、お、おい。 ルマ!」
 
 首飾りに吸い込まれ、光りが消え、首飾りに声をかけても返事は無い。
 出てくる気配も無い。

 外に行くのは諦め、部屋に残る。
 精霊の皆んなに情報収集を頼み、俺は首飾りをテーブルに置き、ルマに問いかける。

「ルマ! ルマ! どうした! 返事をしろ!!」
 
 問いかけに答えは無い。

 しばらく首飾りを調べたり、問いかけを繰り返していると、皆んなが戻って来た。

「翔様、何もわかりませんでしたわ」
「こっちもだ」
「私もです」
「僕は~」
「おめーは遊んでただけだろ!」
「えへへ」
「こっちもわからにゃかったにゃ」
「そうか……」
 
 ルーギィの情報は無し、ルマも首飾りから出てこれない。
 これ以上ここにいても無駄か。

「よし、大精霊様に会いに行こう」
 
 ルーギィについてや首飾りの事がわかるかもしれない。

 プッスモリカを後にし、船に乗って大精霊様の元へ。

 ━━━1ヶ月後

「やっと妖精の森に着いたな」
 
 ここを抜ければ。
 妖精の森に入るとピピが出て来てくれた。

「ねぇねぇ、ルマが生き返ったってほんと?」
「そうなんだけど、この首飾りに吸い込まれてから出てこれなくなってるんだ」
「それなら大精霊様に会えばきっと大丈夫ね」
 
 ピピの案内で大精霊様の元へ。

 入口も直ぐに開くと、来る事を知っていたかの様に大精霊様が待っていてくれた。

「お久しぶりですね、翔さん」
「お久しぶりです。 それで、お聞きしたいのですがー」
「わかっています」
 
 食い気味に返事が帰って来た。
 こちらの言いたい事がわかっているようだ。

「ルーギィの事と、ルマについてですね」
「はい」
「ルマ、もう出てきて良いですよ」
 
 首飾りが紅く光るとルマが飛び出して来た。

「ルマ!」
「カケル!!」
 
 俺の顔に抱きついてくるのを引っ剥がして、説明を求めた。

「どう言う事だ?」
「あはは、いや~これには深いわけが……」
 
 頭をかいてる場合じゃないぞ。

「翔さん、私がお話しします」
 
 大精霊様に案内され、奥の部屋に通され、精霊の皆んなも出てきた。

「では、お話し致します。 まず、ルマについてお話ししましょう」
 
 摘んでいるルマを放し、大精霊様の話しを聞く。

「ルマも精霊と同じような生命となりました。 精霊の用に召喚などはしなくても、その首飾りが有れば出入りは自由なはずです。 そして翔さんとの念話も可能となるでしょう。 ただし、首飾りより出ている時は魔力が減り続けます。 ですので、魔力の使い過ぎや長時間出ていると、今度こそ消えてしまうかも知れません」
 
 首飾りは大事にして無くさないようにしないとな。

「ルマは減っていた魔力残量に気が付かなかったようで、強制的に閉じ込めておきました」
 
 そうだったのか。 心配したけど消えてしまうよりはマシだ。

「次にルーギィについてです。 恐らくルーギィは西の大陸【ヴァリアロンド】にいるでしょう」
「ヴァリアロンド?」
「遥か昔、邪龍【アルヴァニスオロチ】と戦った地です。 そこはアルヴァニスオロチを封じた場所でもあります。 今は廃墟となってはいますけどね」
「そこにルーギィが?」
 
 邪龍の魂である八首斬影やしゅざんえいは既に六人倒している。
 残るはルーギィと俺の魂と一体化している2つだけだ。

「ルーギィはそこで何を?」
「私にもわかりません。 魂無き今、復活する事も無いはずですが……、ただ、僅かに魔力の気配を感じます」
 
 大陸に渡って、後はルーギィを倒すだけだな。

「では西の大陸に向かいます」
「お願いします。 ルーギィが何を企んでるかわかりません。 充分にお気をつけて」

 大精霊様に挨拶をして、妖精の森へ。
 直ぐにピピだけで無く、今度はンパも飛んで来た。

「ピピ! ンパ!」
 
 首飾りから飛び出したルマはピピとンパと手を繋いで、クルクルと回っている。

「ルマ! 無事だったのか!」

 ンパはルマが消えた事しか知らないだろうし、この様子ではピピから聞いて無いな。

「もちろんよ! 私がそう簡単に死ぬわけないじゃ無い!」
「よかった……グス」
「ンパが泣いてるなんて珍しいね」
 
 ピピがンパの頭を撫でている。

「泣く事ないでしょ。 私はこれから最後の戦いに行くんだから」
「また行っちゃうの?」
「もう危ない所に行く必要は無いだろ? それともこの人間に脅されてるのか?」

 パコッ!

「イテ! 何すんだよ!」
「カケルがそんな事するわけないでしょ! 私はこの戦いが終わったら世界中を旅するんだから」

 森の出口まで妖精3人で楽しそうにお喋りしながら森の中を飛び回っている。

「それじゃまたね」
「気をつけてね」
「絶対また帰って来いよ!」
「もちろんよ!」
 
 妖精の2人と別れ、アイゼスト城に向かう。
 これからの事を報告しに行かないとな。
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