俺の魔力は悠々自適 〜精霊達と気ままな旅路〜

かなちょろ

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第15話 ディメールを後に

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 ディメールでゴブリンキングの討伐を果たした俺達はギルド【ミョンミョン】へ戻った。
 他の冒険者達もテンション高く、大手を振って街を歩く。
 ギルドに集められた俺達はギルマスのミルヒさんより賞賛をもらった。

「皆んなよくやってくれた。 このディメールのギルドマスターとして誇りに思う!」

「オオーー!!」

 ギルマスの言葉で更に盛り上がる。

「この度の報酬は弾みますよー!」
「うおおー!! やったぜ! 流石ギルマスだ!」
「今日は飲むぞー!!」
「これで借金も返済だ!」

 様々な言葉が飛び交う。
 そして皆んな綺麗に並び、受付で報酬を貰い始めた。
 俺の番になった時、受付のお姉さんにギルマスが部屋で待ってますから来て欲しいと言われミルヒさんの元へ。

「失礼します」

 ギルマスの部屋に入ると、ギルマスとリアスが待っていた。

「よく来た。 今回はゴブリンキングだけで無くタイラントボアまで倒したと流石私が見込んだ冒険者ですな」
「俺は何もして無いですよ……。 精霊の皆んなが頑張ってくれたおかげです」
「そのようだが、それも立派な君の力ですよ」
 
 そう言われても本当に何もしていないから後ろめたい……。

「まずはゴブリンキングとタイラントボアの報酬をお渡ししておきます」
 
 テーブルに置かれた袋には金貨が詰まっているように見える。

「こんなにですか?」
「今回のイレギュラーな魔物の討伐、加えて私からの御礼ですよ」
 
 御礼?

「さて、ここからが本題です。 単刀直入に言います。 このディメールのギルド【ミョンミョン】の専属冒険者になりませんか?」
「専属冒険者?」
「そうです。 専属になれば依頼の期日も伸びますし、依頼料にプラスがされます。 そして住む場所も格安でご提供致しますよ」
 
 結構魅力的な話しだけど……。

「すいません。 ありがたい申し出ですが、俺は冒険を続けたいと思います」
「そうですか……。 このリアスも専属冒険者なのですが、専属になって頂ければリアスと一緒に依頼をこなすなんて事も沢山あると思ったのですがね」
 
 リアスはさっきからダンマリだ。

「召喚士とテイマーならお互い勉強になるのでは?」
 
 ミルヒさんは結構押してくるタイプだな。
 勉強になるのはありがたいし……。

「わかりました。 では少しの間……」
「ダメよ!」
 
 リアスが話しに入ってくる。

「はっきり言って今の私じゃカケルのお荷物にしかならないわ。 それにカケルはもっと色々な所で勉強した方がいい」
「リアス……」
「べ、別にカケルのために言ってる訳じゃ無いんだから! 私がもっと強くなってカケルと肩を並べるようにならないとダメなのよ!」
 
 リアスは腕を組み、俺じゃ無い方を向いて喋っている。

「私の話しは終わり!」

 そう言ってリアスは部屋から出て行った。

「リアスがああ言うのでは仕方ないですな。 でもこの【ミョンミョン】はいつでもウェルカムですからな」
 
 その言葉と追加の報酬を貰い、ギルドを後にした。
 俺自身も強くなってまた戻って来よう。
 次はリアスをびっくりさせてやりたいからな。
『翔なら大丈夫だろ』
『翔様なら強くなれますわ』
『兄ちゃんは強いよ』
『そうですよ!』
 皆んなが言う位には強くなろうと心に決めた。

『さて、翔』
『翔様』
『兄ちゃん』
『え、えと、翔さん』
 そうだった……、討伐の報酬を貰ったと言う事は……。

『酒だーー!!』
『お買い物ですわ!』
『肉ーー!!』
『わ、私は本が欲しいです』
 皆んなそれぞれ欲しい物を言う。
 よし、今回も皆んなのおかげだ、奮発するぞこのやろー!!

 この日、美女をはべらせて豪遊する見ていて痛い男がディメールの各地で目撃されたと言う。

「ん……、朝か……」

 昨日は散々酒を飲み、肉を食い、買い物をしまくったので、宿に着いてからの記憶が無い。

 ふにゅ……。
 ん?
 ふにゅふにゅ……。
 んん?

「ん!!」

 狭いベッドに皆んなと一緒に寝ている。
 これはよくある事だ。
 でも今回は皆んないつも魔力で作っているはずの服を着ていない……。
 そして俺も着ていない……。
 正真正銘、裸体のダイレクトアタックだ!

「ちょーー!!」
「ん……、なんだ翔、朝から騒がしいな」

 ふにゅ。

「翔様もお目覚めですか」

 もんにゅ。

「ん~、おはよ兄ちゃん……」

 にゅ。

「くー……すやすや」

 ぷにゅ。

 いつものようにエルザ、シルクは両隣、マリス、シャルはエルザとシルクに挟まれて俺の胸部辺りにいる。
 この刺激に意識がはっきりしてくると……。
 や、やばい。

「兄ちゃん何か……?」
「あら、マリスそれは男性の現象よ」
「触ってみりゃわかるって」
 
 うわああーー!!
 俺は飛び起き、かかっていたシーツで隠すが……。
 皆んなの裸が丸見えに……。

「ふぁ~……、翔さんおはようございます……あれ? …………きゃーー!!」

 シャルは両手で隠すがちょっと遅かったな……はは……。

「ご、ごめん、とにかく早く服を着てくれ!」

 エルザはニヤニヤしながら服を生成し、シルクも艶かしく服を生成、マリスはキョトンとしながら服を生成、シャルは速攻で魔法陣の中へ戻っていた。
 宿の受付に行くと、鍛冶屋から来て欲しいと伝言があったそうで、これから向かう事にした。
 そして皆んなに聞くことにした。

 なんで俺も皆んなも服を着てなかったんだよ?
『わたくし達は翔様の魔力と結びついています』
『翔さんが酔っ払ったせいでしょうか、魔力の流れがおかしくなって……』
『それであたし達の服も寝てる間に消えちまったって事だな』
『兄ちゃんの服は自分で脱いでたよ』
 ……うん、これから酒は程々にしよう。

「お、来たか」
 
 鍛冶屋に着くと、早速鞘を見せてくれた。

「どうだい? 良い材料を持ってきてくれたからな、渾身の出来だぜ」
 
 渡された鞘は派手な装飾は無い、でも白く輝いて見える綺麗な鞘だ。
 早速装着してみる。

「お、なかなか似合うじゃねぇか」
「ありがとうございます。 それでお代ですが……」
「今回はいらねぇよ。 鉱石採取用の洞窟の魔物も退治してもらったし、何よりいい仕事させてもらったからな」
「でも少しくらいは」
「いいって、いいって」
「ありがとうございます。 お言葉に甘えさせて頂きます」

 今まで持っていたナイフは背中の腰に付け、この剣は腰に装備した。

 御礼を言って鍛冶屋を後にし、ギルドの受付に行く。
 受付のお姉さんから俺のランクは一気にランクCまで上げられると言われていたが、俺自身にその実力は無いので、リアスと同じランクDにしておいた。

「さて、冒険者にもなれたし、もう一度パラキ村に戻って服を作って貰いに行くか」
『お、なら酒買い込んで行こうぜ』
『もう少しディメールでお買い物したかったですわ』
『僕は兄ちゃんと一緒ならどこでも良いよ』
『私は初めてなので楽しみです』
 一部スルーしたが、皆んな色々楽しめたようで良かったよ。

 ディメールの入口まで来ると、リアスが立っている。

「あれ? リアスどうしたの?」
「…………」

 リアスは答えない。

「え、と……」
「カケル!」
「は、はい!」
「必ずまたディメールに来なさいよ! 強くなった私を見せてあげるんだから!」
「ああ、また必ず!」
「それから精霊達聞いてる? 必ずあなた達よりいい女になってみせるんだからね!」

『10年早いんじゃねーか?』
『楽しみですわね』
『兄ちゃん、僕も良い女?』
『わ、私もでしょうか?』
 皆んなの言葉はスルーしてシルクの言葉だけ伝えておいた。
 俺はリアスに手を振り、ディメールを後にしてパラキ村へ向かうのだった。
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