俺の魔力は悠々自適 〜精霊達と気ままな旅路〜

かなちょろ

文字の大きさ
17 / 72

第17話 服とダンスとイカ退治 その1

しおりを挟む
 昨日は精霊皆んなの誕生日をお祝いした。
 これで皆んなにも誕生日が出来たわけだ。
 そして今日は楽しみにしていた服を取りに服飾の仕立て屋さんに行くことが決まっている。

 おはよう皆んな。
『おはようございます、翔様』
『兄ちゃんおはよー!』
『翔さんおはようございます』
 あれ? エルザは?
『まだ寝てますわ』
『エルザおーきーてー』
『ん~……もう朝か?』
 お、エルザもやっと起きたな。

 今日は皆んなの服を受け取りに行くから、宿の外に出てから召喚するよ。

「青く澄んだ清流の流れよ 盟約に基づきその姿を見せよ!」
「白く空に揺蕩いし柔らかな風よ 盟約に基づきその姿を見せよ!」
「緑の優しき土の恵みよ 盟約に基づきその姿を見せよ!」
「赤き紅より真紅に燃えし心なる火種 盟約に基づきその姿を見せよ!」

 4人を召喚し、服飾屋さんへ。

「あら~、カケルちゃん、待ってたわよぉ」
 
 店に入るなり凄い勢いで近寄ってくる。 顔近い。

「ど、どうも」
「他の子も来たわね。 さ、こっちに来て着ている所を見せて頂戴」

 4人は奥の部屋に入って行った。
 そして数十分後……。

「お・ま・た・せ」

 部屋から出てきたと思ったらすぐにドアを閉めた。

「さぁさぁ、じっくり堪能してちょうだい」

 ドアが開き出て来たのはエルザ。

 エルザの服は赤色を主体としたワンピースで胸の部分は細いリボンが付いている。
 いつものエルザとは違う雰囲気で可愛い。 これがギャップ萌えか?
 俺が見ているとエルザは顔を真っ赤にして小刻みに震えている。
 怒らせたか?

「エ、エルザ?」
「あんまりジロジロ見んなよ……バカ……」
 
 エルザが照れているだと!
 このギャップもまた良い……。

「はい、次の子行くわよ~」

 部屋から出て来たのはシルク。
 服は青と水色のレースで少し透けているマーメイドシルエットのドレス。
 シルクのたわわな胸元がいつも以上に強調され、今にもこぼれ落ちそうだ。

「如何ですか? 翔様」
 
 シルクは俺の顔を覗き込むように前屈みとなる。
 強調された谷の奈落に吸い込まれそうだ。

「う、うん……、綺麗だよ」
「うふふ、ありがとうございます」
「おい! シルク! 翔に色目使ってんじゃねーぞ!」
「あら? エルザも翔様にじっくり見て頂ければ良いじゃ無い?」
「う……」
「まぁまぁ、そのくらいで……」
「はいはい、後がつかえてるわよ」

 次に出て来たのはマリス。

「兄ちゃん僕どうかな?」

 マリスはスカートの裾を持ってくるりと回転する。
 マリスの服は白いYシャツに黒とチェック柄のオーバーオールドレス。

「ああ、可愛いよ」
「やったぁ~!」

 喜んで飛び跳ねていると膝下の丈のスカートがふわりと浮き上がる。

「ちょっと落ち着こうか」
「は~い」

 さて、最後はシャルだな。

「次で最後の子ね。 この子も良いわよ~」

 すぐに出てくると思ったが、シャルは扉を少しだけ開けて顔を出す。

「あ、あの、私も見せないとダメですか?」
「ん~もう、似合ってるんだから見せなきゃダメよぉ、もったいないじゃ無い」

 手を引っ張られてシャルが出て来た。

 シャルの服装は緑を主体とした服装で、皆んなの中でも1番のミニスカート、上はカジュアルでヘソ出しとなっている。

「……いい……、はっ!」

 シャルの落ち着いた雰囲気とは違う感じで見惚れていた。

「……グス……」

 俺があまりにも見るもんだからヘソを隠して涙を溜めてこっちを睨んでいる。

「ご、ごめん、シャルが可愛かったのでつい……」
「でしょう! 髪を下ろしてぐっとセクシーになったわよねぇ」

 確かに……。
 シャルばかり見ていると、シルクとマリスが俺の前に出てきて抱きついてくる。

「兄ちゃん僕も見てよ~」
「翔様、わたくしも見て欲しいですわ」
「わ、わかったからちょっと離れよう」

 と、意外にもエルザは離れて腕を組み、そっぽを向いていた。
 2人を離した後、シャルとエルザは即魔法陣の中へ戻ってしまった。
 しかしこれだけの服を一晩で作ってしまうとは……ただ者ではないな……。
 みんなが気に入ったと伝え、今度は俺の服も作りたいと言っていたが、それはまた今度と言ってお礼を伝えておいた。

 良い買い物(無料)が出来たと、一度マスターの元へ向かった。

「お、服が出来たか」
「はい。 皆んな喜んでいました」
「そりゃあ良かった」
 
 マスターはシルクとマリスを見ると、カウンター越しに俺に「良い女性達じゃねぇか。 大事にしろよ」とこっそり話してくる。

「もちろんです」
「何をこそこそ話してますの?」
「いや、皆んな綺麗だって話してたんだよ」
「僕も僕も?」
「もちろん嬢ちゃんだって立派な女性だからな」

 マスターにそう言われてマリスはぴょんぴょん跳ねて上機嫌だ。

「ところで、これから何処に行くか決まってるのか?」
「いえ、特にはまだ……」
「なら、ここから南、ディメールよりも南だな、港町の【ストークレイル】に行ってみると良い」
「ストークレイル? 何かあるんですか?」
「行ってみりゃわかるさ」

 港町ストークレイル。
 港町なら船もあるだろうし、魚料理も美味しそうだ。

「わかりました。 色々ありがとうございました」
「良いって、楽しんだきな」
 
 そう言われて買い物を済ませパラキ村を後にした。
 村を出るとシルクもマリスも魔法陣へ戻ってしまう。
 どうしたの?
『せっかく作って頂いたお洋服ですもの』
『汚れないうちにしまっておかないとね』
『それで翔、次はそのストークレイルって所に行くのか?』
 そうだよ。
『港町と言う事らしいですから、美味しい料理も楽しみです』
『翔様、ギルドの仕事は大丈夫なのですか?』
 そうだな。
 ランクDだとストークレイルに行く前に一つでも依頼をこなしておかないとな。

 ストークレイルはディメールより更に南との事だから途中のディメールで依頼をこなしてストークレイルへ向かおう。

 まずはディメールまで皆んなを順番に召喚しながら向かう。
 今回は割と早く着く事が出来た。
 途中で魔物にも襲われたが、皆んなの力であっさりと終わってしまい、俺の出る幕が全くない……。
 そろそろこの貰った剣も試したいんだよな。

「おや、カケルさんじゃ無いですか?」
 
 ディメールの門番をしていた冒険者に声をかけられた。

「そうですけど?」
「おお、やはり! ここで少々お待ちください」

 4人共召喚して街に入ろうとディメールの前で召喚しておいた。
 ただ貰った服は着ていなくいつもの格好だ。
 冒険者の人はシルクを見て気がついたようだ。

「なんだ、カケルじゃない」
 
 後ろから声をかけられて振り向くと誰もいない。

「だからこっちよ! こっち!」

 ギュッ!
 足を思いっきり踏まれた。
 ギルドに向かいながらリアスに聞く。

「なんでリアスが迎えに来たんだ?」
「入口に精霊様がいるから確認して欲しいって言われたから来てみれば……」

 成程、確かにリアスに俺が来たよって言っても来なかっただろうな。

「カケルさん、お久しぶりですがもう戻られたのですか?」
「ははは……どうも、お久しぶりです」
 
 受付のお姉さんに挨拶をする。
 確かに勇ましくディメールを出たのに戻るのが早かったな。

「今日は依頼を受けに?」
「はい、依頼をこなしてから南のストークレイルに行こうと思っています」
「ストークレイル……、成程、なら急いだ方が良いですよ」
 
 何が成程なのかはわからないが、急がないといけない理由でもあるのだろうか?

「ストークレイルで何かあるんですか?」
「それは行ってみてのお楽しみですよ……ね、リアスさん」
「……そうね……」
 
 なんなんだ?

「それで、今日の依頼はどうしますか?」
 
 とりあえず早くこなせる物を頼むと、薬草採取が1番早く終わるだろうとの事で、その依頼を受けた。
 早速薬草を採取しに森に向かうと何故かリアスも着いてきた。

「なんで着いてきてるの?」
「カケルがどのくらい強くなったかみてあげるわよ」

 剣と服を手に入れただけだから特には変わって無いんだよな……。

 森に着くとシャルが薬草の場所を的確に教えてくれたので、物の1時間で終わってしまった。
 魔物にも襲われる事もなし。
 ディメールへ戻りギルドで依頼完了をし、明日すぐにストークレイルへ行ける準備を済ませ、前にも泊まった宿へ行こうとした所、ずっと着いて来ていたリアスが一緒に食事をしたいとの事だったので、皆んなで食事をする事になった。

「それでカケルは明日ストークレイルへ行くんだったわよね?」
「そうだよ」
「ストークレイルまでは3日4日かかるし、峠を越える時に山賊が出るかも知れないわよ」
「あたし達がいればなんて事は無い」
「僕達と兄ちゃんがいれば怖い物無しだよ」
「わたくし達がいれば問題無いですわ」
「そ、そうよね……」
 
 食事をしながら、たわいも無い会話をしながら食事を済ませると、この日はリアスと別れた。
 明日は早速ストークレイルに向けて旅の始まりだ。
 今度はどんな街なんだろう……。
 そんなことを考えながら皆んなと一緒に眠りに着く。
 相変わらず慣れないこの体勢だが、眠りにつく事は出来た。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。

しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。 しかし―― 彼が切り捨てた仲間こそが、 実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。 事実に気づいた時にはもう遅い。 道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。 “荷物持ちがいなくなった瞬間”から、 アレクスの日常は静かに崩壊していく。 短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。 そんな彼と再び肩を並べることになったのは―― 美しいのに中二が暴走する魔法使い ノー天気で鈍感な僧侶 そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。 自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。 これは、 “間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる” 再生の物語である。 《小説家になろうにも投稿しています》

ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主

雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。 荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。 十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、 ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。 ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、 領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。 魔物被害、経済不安、流通の断絶── 没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。 新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです

桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

捨てられた貴族六男、ハズレギフト『家電量販店』で僻地を悠々開拓する。~魔改造し放題の家電を使って、廃れた土地で建国目指します~

荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
 ある日、主人公は前世の記憶を思いだし、自分が転生者であることに気がつく。転生先は、悪役貴族と名高いアストロメア家の六男だった。しかし、メビウスは前世でアニメやラノベに触れていたので、悪役転生した場合の身の振り方を知っていた。『悪役転生ものということは、死ぬ気で努力すれば最強になれるパターンだ!』そう考えて死ぬ気で努力をするが、チート級の力を身につけることができなかった。  それどころか、授かったギフトが『家電量販店』という理解されないギフトだったせいで、一族から追放されてしまい『死地』と呼ばれる場所に捨てられてしまう。 「……普通、十歳の子供をこんな場所に捨てるか?」 『死地』と呼ばれる何もない場所で、メビウスは『家電量販店』のスキルを使って生き延びることを決意する。  しかし、そこでメビウスは自分のギフトが『死地』で生きていくのに適していたことに気がつく。  家電を自在に魔改造して『家電量販店』で過ごしていくうちに、メビウスは周りから天才発明家として扱われ、やがて小国の長として建国を目指すことになるのだった。  メビウスは知るはずがなかった。いずれ、自分が『機械仕掛けの大魔導士』と呼ばれ存在になるなんて。  努力しても最強になれず、追放先に師範も元冒険者メイドもついてこず、領地どころかどの国も管理していない僻地に捨てられる……そんな踏んだり蹴ったりから始まる領地(国家)経営物語。 『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』 ※別サイトにも掲載しています。

処理中です...