俺の魔力は悠々自適 〜精霊達と気ままな旅路〜

かなちょろ

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第45話 懐かしの村

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 ストークレイルを旅立ち、ディメールへ。
 この辺りの魔物も軽く倒せる様にはなっている。

『翔さん強くなりましたよね』
 師匠に鍛えられたからな。
 シャルに見せる様に腕を上げて力こぶを出す。
『少しは強くなってもらわねーとな』
『わたくしは前の翔様も好きでしたわよ』
『それなら僕だってー!』
『私は修行して強くなっていく翔さんを見てますからね、翔さんは頑張りましたよ』
『お前だけずりーぞ!』
『あなただけズルいですわ!』
『そうだよ~』
『私も色々な場所に行ってみたかったです』
 皆んなもこの一件が片付いたら色々な場所に行って楽しもう。
 ルマとラジュナと旅をした話をしながらディメールへ到着した。

「さぁ、ディメールに着いたぞ」
 
 ギルド長やリアスは元気にしているだろうか。

「凄~い! こんな大きな壁見た事無いわ!」

 ルマは、はしゃぎながら壁の上まで飛んでいった。

「あんまりはしゃぐなよ~!」
「わかってる~!」

 入口の門番へ顔を出すとルマも戻って来た。

 門番にギルドカードを見せると……。

「Aランク! 丁度良い時に来てくれました! ささ、どうぞ中へ」
「丁度良い?」
「詳しくはギルマスに聞いてください」
「……? わかりました」
 
 門番の人にギルドへ直ぐに行ってくれと促されながら通された。
 なんなんだ?

「あ! もしかしてカケルさん!?」
 
 ギルドに入ると、受付のお姉さんと目が合うなり駆け寄って来た。

「どうも。お久しぶりです」
「活躍は聞いてますよ! なんでもコンデルミでAランクに昇格したって」
「はい、一応」
「なら直ぐギルマスに会って話しを聞いてください」
「何かあったんですか?」
「詳しくはギルマスに」
 
 受付のお姉さんに連れられギルマスの部屋まで通された。

「ミルヒさんお久しぶりです」
「カケルさん、お久しぶりです」
 
 軽く挨拶をし、座って話を聞く。

「それで、何かあったんですか?」
「うむ、このディメールより北にある村が、ひと月程前から連絡が取れなくなっておってな」
「北の村ですか?」
「国境の山に近いのどかな村でな、【ダガレ村】と言うんじゃよ」
「ダガレ村!!」
「知っておったか?」
「昔お世話になった村です」
「そうか……、先にリアスが調査しに向かっておるが、こちらも音沙汰無しでな。 他の冒険者を派遣しようと考えていた所にカケル殿が現れたと言うわけじゃ」
「そう言う事なら、俺が行きます!」
「よろしく頼む。 そう言えば、精霊様達はどうしたのじゃ?」
「訳はわからないですが、出て来ないんですよ」
「そうか、ご健在ならそれで良い。 ではカケル殿、頼みましたぞ」
「はい」
 
 ギルド長のミルヒさん直々のご指名だ。 リアスの事も気になるし、ダガレ村の村長【マキリ】さん、娘さんの【アミル】さんも気になるからな。

 ギルドを後にし、準備を済ませると早々にディメールを発つ。

「もっと町の中見たかった~」
 
 着いてその日に旅立った為に、ルマに文句を言われる。

「仕方ないだろ、緊急の要件なんだから」
「それはわかってるけど~~~~」
「全部片付いたら、また来るからその時な」
「は~い」
 
 ルマも緊急とわかっているから軽く文句を言うだけで、素直に聞いてくれる。

『ダガレ村か、懐かしいな』
『ですわね』
 そうだな、この世界に来た時に初めてお世話になった村だからな。
 初めてのゴブリン退治とかしたよな。
『そうでしたわね』
『雑魚過ぎて暴れ足りなかったけどな』
『兄ちゃんが早く僕を呼んでくれれば、僕も活躍出来たのに~』
 それはしょうがないだろ。
『私もまだ知らない村ですね。 楽しみです』
『私もです』
 懐かしい話しをしていると、時間が経つのが早いような遅いような、昨日のことの様に思い出す。

「カケル、なにニヤニヤしてるの?」
「え、いや、昔の事を思い出してたんだよ。 俺が初めてゴブリンと戦ったのがダガレ村なんだ」
「聞きたい、聞きたい!」
 
 ルマにダガレ村でのゴブリン退治、精霊の活躍の話しをしながら向かう。

 途中パラキ村にも寄ろうかと考えたが、寄らずにダガレ村を目指した。
 ダガレ村に近づくにつれて魔物の強さが増していく。
 前には居なかった魔物ばかりだ。
 やっぱり何か変だ。

 この森を抜ければ【ダガレ村】に到着だ。
 ここまでリアスには会わなかった。
 既に村に着いているのか?

 村の入口から中を見ると外には誰もいない。
 元々静かな村だったけど、ここまで誰もいないのは変だ。
 嫌な予感がする。

「私が見てこようか?」
「ああ、頼む。 気をつけて見てきてくれ」
「は~い」
 
 ルマは村に人がいないか見に行った。

 とりあえず村長の家に行ってみるか。
 気配に気をつけながら村長の家に向かう。

「カケル~」

 しばらくして、村をぐるっと回って見てきたルマが戻って来た。

「どうだった?」
「誰も何処にもいないよ」
「そうか……」
 
 ここに来るまでに、この辺りにはいないはずの強い魔物がいた。
 もしかして奴らに襲われたか?
 でも襲われたのなら村が綺麗過ぎる。
 皆んなは何か感じないか?
『あたしは特に感じないな』
『わたくしもですわ』
『僕もわかんない』
『あの……』
 シャルが何か言いたそうにしている。

 シャル! 何か感じるか!?
『人の気配では無いのですが、村の真ん中辺りから強い魔力を感じます』
 よし、行ってみよう。

 少し開けている村の真ん中に来るが、特に何もない。

『翔さん!! 気をつけて下さい!!』
 なに!?
『足元です!!』
 シャルが叫ぶと同時に、地面が割れ、今まで見た事無い程巨大な黒いゴーレムが現れた。

 ゴーレムが出てくる瞬間、距離を取り、既に剣は抜いている。
 ゴーレムがこちらを向いた瞬間に俺の剣はゴーレムを捉えた。

 ガキンッ!

 ニブイ音と共に剣が弾かれた。

「な! かてぇ!」

 普通のゴーレムには既に何度か戦いもしたし、苦戦する相手では無い。 でもこの巨大で黒いゴーレムには刃が通らない。
 ゴーレムの動きはそれほど早く無い為、隙を見て何度か切り付けるが全て弾かれる。
 どうする……。

『ふ、ふ、ふ……、来た来た来たー! この時を待ってたぜー!!』
 な、なんだ! どうした、エルザ!?
『翔! あたしを召喚だ!!』
 なんだ、急にやる気になったな。
 召喚して良いのか?
『ああ、ギャラリーがいないのが残念どけどな』
 わかった頼む!

「赤き紅より真紅に燃えし心なる火種 盟約に基づきその姿を……」

『チッチッチ! 違うぜ翔! こう唱えるんだ!!』
 
 ゴーレムから距離を取り、エルザに教わった新しい召喚呪文を唱える。

「赤き紅より業火に燃えし聖なる炎 盟約に基づきその真なる姿を見せよ!」

 いつもの赤い魔法陣に炎の揺らめきが合わさり、輝く魔法陣が現れた。
 そしてエルザがゆっくりと召喚される。
 新しい呪文で召喚されたエルザは、赤く燃え上がる炎を纏った姿で現れた。

「ふ~……、久しぶりの外の空気はやっぱり美味いな……」
「エ、エルザなのか?」
「そうさ、精霊命珠エレメンタルメージュでパワーアップしたあたしだ! 翔、離れてな」
 
 それだけ言うと、エルザはゴーレム目指してスタスタ歩いて向かい出した。

「エルザ!」
 
 巨大なゴーレムの拳がエルザめがけて降り押さられる。
 この辺りの家ならこの一撃で軽く吹き飛びそうな一撃をエルザは片手で受け止めた。

「おい、おい、こんなもんか? 久しぶりなんだから暴れさせてくれよ……、なっ!!」
 
 受け止めているゴーレムの拳めがけてエルザが殴る。
 その威力にゴーレムの拳は粉砕され、吹き飛ばされる。

「あたしを楽しませてくれよ!」

 エルザはゴーレムに突進すると、ゴーレムの頭をぶん殴る。
 ゴーレムの頭は吹き飛ばされ、音を立てて崩れ去った。

「……、壊れてんじゃねー! もっと楽しませろ!!」
 
 エルザは崩れたゴーレムに追い討ちをかけて更に粉々にしている。
 大丈夫なのか? あれ?
『恐らく、精霊命珠エレメンタルメージュのせいで、力が有り余ってるだけだと思いますわ』
『多分、性格が膨張しているだけだと思います』
 なら良いけど……。
 ちょっと怖いぞ。
 なぁ、もしかして皆んなパワーアップしてるのか?
『勿論ですわ』
『僕の強くなった所見せてあげるね』
 性格もあんな感じになるの?
 ちょっと恐る恐る聞いてみた。
『それは大丈夫だと思いますよ』
『あの性格はエルザだけですね』
 それなら良かったけど……。

「お、おい、エルザ!」
「あ、悪い、悪い、久しぶりに暴れたから火がついちまったぜ。 久しぶりに暴れるとスッキリするな~。 今は戻るけど、また召喚してくれよ」
 
 エルザは魔法陣へ戻って行った。

『どうだ、あたしの強さは?』
 ああ、頼もしい限りだよ。
 ちょっと怖かったけど。
『次はもっと暴れてやるからな』
 お手柔らかに頼む。
『え~! 次は僕だよ~』
『わたくしですわ。 翔様に私の新しい姿を見て頂かないと』
 精霊達で言い争いがいつもの様に始まった……。

「カケル! あれが精霊様の力なの!? 凄い! 凄い!」
 
 ルマはあの強さの精霊の戦いを初めて見たせいで、興奮気味だ。

「一緒に集めた性格命珠エレメンタルメージュでパワーアップしたんだってさ」
「頑張って集めたもんね」
「そうだな」
 
 大変だった……、と、懐かしんでいる場合じゃ無いな。
 皆んな、村の人を探すぞ。
 俺達は村の人を探す為に、村の外へ向かった。

「……へぇ……、あれを倒すんだ。 ふふ、面白くなりそうねぇ……」
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