俺の魔力は悠々自適 〜精霊達と気ままな旅路〜

かなちょろ

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第46話 旧友の友

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 音信不通のダガレ村へ向かった俺達は、村で黒いゴーレムに襲われた。
 強くなったと思った俺の剣は黒いゴーレムには通用せず、倒し方を考えていた時、精霊のエルザが復活してから初めて召喚しろと言ってきた。
 召喚したエルザは精霊命珠エレメンタルメージュの力で前の力を遥かに凌ぐ力を身に付けていた。
 そしてゴーレムを一撃で屠った。
 他の皆んなも強くなっていると言う。
 俺の立つ瀬が早くも無くなった……。
 俺達は村にいなかった人々を探す為に村の外に探しに行くのだった。

『翔様、人の魔力の気配があります……。 これは……』
 村の近くにある森の中を進むと、シルクが何か感じ取ったようだ。
『村人か?』
『違います……ね。 1人分の魔力しか感じ取れません』
 1人……、リアスか?
『違いますわ。 この魔力の気配は恐らく【ヘバリー】と言う男性の気配ですわ』
 ヘバリー?
『ゴブリンと組んで村長を騙し、翔様を殺そうとした男の気配ですわ』
 ああ! 思い出した! そういえばそんな奴いたな。 でも、あいつはエルザに頭吹っ飛ばされて無かったか?
『そのはずですが……』
『なーに、もう一回吹っ飛ばせば良いだけだろ?』
 村人について何か知ってるかも知れないから、いきなり吹っ飛ばすのは無しだ!
『ちぇーっ』
 エルザ大丈夫か? 精霊命珠エレメンタルメージュのせいで更に攻撃的になってない?

 ヘバリーの近くまで近寄り、様子を見る。
 ヘバリーはうつむいたまま、ふらふらと歩いている。
『翔様、やはり様子が変ですわ』
 もう少し近寄ってみるか。
『翔様、危険です』
 何かあったら直ぐ召喚するから。
 俺はゆっくりとヘバリーに近づく。

 ヘバリーも何か感じ取ったのか、ふらふらとした足取りはそのままにこちらに近づいてくる。

「おい! ダガレ村について何か知らないか!?」
 
 俺はヘバリーに聞こえる様な声で語りかけた。

「…………」

 ヘバリーはうつむいて黙ったままだ。

「聞こえないのか!!」

 更に声を大にして問いかけると……。

「ヴボァァァアア!!」
 
 目の焦点も合っていなく、口が耳元まで裂けてヘバリーはおぼつかない足でこちらに向かって走ってくる。
 
「カケル!!」

 ルマの心配もよそに、俺はヘバリーの首を落としていた。

「安心しろ、もうこんな奴に負ける様な俺じゃ無いぜ」

『兄ちゃんカッケー!!』
 ふっふっふ、任せなさい。

「カケル! 後ろ!!」

 首を落としたヘバリーが、頭の無いまま俺に向かって来た。

「うおおおおお!!」
 
 焦ったが、ヘバリーの体を真っ二つに切り裂く。
 それでもヘバリーの手足はモゾモゾと動きが止まらない。

「気持ちわるっ!!」

 しばらくモゾモゾと動いていた手足も動きが止まると、チリとなって消えて行った。

「ふふ、楽しんでもらえたかしら?」
「誰だ! いや、この声は……」
 
 そうだ、この声は忘れない。

「何処だルーギィ!! 姿を見せろ!!」
「あら、覚えててくれたのね、嬉しいわ。で~も~、せっかちな男性は嫌われるわよ」
「こちとらお前に好かれる気はないんでね」
「あら、残念。 せっかくちっちゃい子の居場所教えてあげようと思ったのに」
「ちっちゃい子だと!」
「そうよぉ、 この子に見覚えないかしら?」
 
 木の上から飛んで現れたのは1匹のウサギの魔物。

「ま、まさか……」
「安心して良いわよぉ、この子は生きてるわ。 でもね~」
 
 突然襲いかかってくるウサギの魔物。

「あらぁ~、反撃しないのかしら?」
 
 なんとか躱してはいるが、このドリルラビットのスピードが早すぎて体をかすっていく。
 このままじゃ……。
『兄ちゃん、スピードなら僕だよ!』
 いや、駄目だ。
 普通のドリルラビットなら良いが、これがもしリアスのラビだったら……。

「クスクス、じゃ、頑張ってね~」

 ルーギィの声は聞こえなくなるが、ドリルラビットの攻撃は止まらない。
 そしてドリルラビットの強烈な蹴りが腹部に入る。

「ぐはっ!」
「カケル!」
 
 大丈夫だ……。 でもこの蹴りはやっぱりリアスがテイマーしているドリルラビットのラビ。

「ラビ! 俺だ! 翔だ!」

 ラビに何度も声をかけるがラビの攻撃は止まない。
 俺は攻撃していないのに段々とラビの体毛が赤く染まっていっている。
 ラビは口から吐血するも、スピードが落ちる事無く、攻撃は止まらない。
『翔さん! このままだとこの魔物は死んでしまいます!』
『兄ちゃん! 僕に考えがあるんだ! 僕に任せてよ!』
 俺にはラビを止める手段は無い。
 たとえ押さえつけても暴れて危険だ。
 ここはマリスに任せるしか無い。

 わかった! マリス、頼む!
『任せて!』
「白く空に揺蕩いし柔らかな風よ……」
『兄ちゃん違うよ。 僕だって新しい召喚の呪文があるんだ!』
 マリスに新しい召喚呪文を教わるが、ラビの攻撃を躱しながらは集中して召喚が出来ない。

「カケル! 私が時間を作るわ!」
 
 ルマはラビに向かって飛んで行く。

「ルマ!!」
「早く召喚して!!」

『兄ちゃん早く!』
 わかった!! マリスいくぞ!

「白く猛り狂う聖なる風よ 盟約に基づきその真なる姿を見せよ!」

 呪文を唱えると、風が渦を描き竜巻が生まれた。
 その竜巻の中に魔法陣が浮かぶと、マリスが魔法陣から現れる。
 その瞬間、ラビの蹴りからルマを一瞬で拾い助けると、左手をラビに向ける。
 ラビは何か粘着した物が体に纏わりついた様に動きが鈍くなって動きづらそうだ。
 これはマリスがやっているのか?
 そして、マリスはラビに風を送ると、ラビの動きが止まり、その場に倒れた。

「マリス! ラビは!?」
「大丈夫だよ。 眠らせただけ」
「凄いな、そんな事が出来る様になったのか」
「まぁね、前より風を自由に扱える様になったんだ」
「あ、あの、精霊様、助けて頂いてありがとうございます」
 
 ルマは丁寧にお辞儀をしている。

「そんな事良いよ。 あと、マリスで良いからね」
「で、でも」
「僕もルマって呼ぶし、兄ちゃんの仲間なんだから」
「わ、わかったわ。 ありがとう、マリス」
「うん!」
「さて、ラビの傷を治してやらないと」

 シルク頼めるか?

「まって兄ちゃん、シルク程じゃ無いけど、この位の傷なら僕が治せるよ」
 
 マリスはラビに手をかざすと、白い霧状の風がラビを包み込んだ。

「もう大丈夫かな」

 霧状の風が消えると、ラビの体の傷は癒えている。

「回復も出来るのか!?」
「あんまり得意じゃないけどね」
「充分凄いじゃないか!」
「えへへ~。 僕はこの子の事を見てるから、兄ちゃん達は皆んなを見つけて来て」
「わかった。 ラビの事頼んだぞ」
「うん!」
 
 ラビの事はマリスに任せて、俺達は村人の探索を続けた。
 この一件にあの八首斬影やしゅざんえいの1人、ルーギィが関わっているとなると気を抜くことは出来ない。

『翔様、前にゴブリン達がいた洞窟を調べてみてはどうでしょう?』
 そうだな、調べてみるか。

 俺達はゴブリンのいた洞窟へと向かった。
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