俺の魔力は悠々自適 〜精霊達と気ままな旅路〜

かなちょろ

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第53話 別れ

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 夢を見ていた気分だ。
 そして夢のせいなのか、目の前に化け物が現れた。
 俺は応戦した。
 八首斬影やしゅざんえいを全員倒し、また皆んなで旅を続けるためだ。

 化け物がバランスを崩した。
 いける!!

 剣を降り下ろすと、手応えがあった。
 ただ、切り倒したのは大きな化け物では無く、急に飛び込んで来た小さな化け……物……?
 地面に落ちたその化け物、何処かで見た事がある。
 なんだ? 胸が痛い。
 段々と意識がはっきりしてくる。
 そして目の前のエルザに気がつく。
 なんで俺はこんな所に?
 エルザや他の皆んなもなんでこんな所に……?
 
 意識がはっきりしてくると、記憶も蘇ってくる。

 そうだ、昨日、急にルーギィの声が聞こえると、なんだか逆らえなくなってしまい、皆んなの食事にルーギィからもらった眠り草の粉を入れたんだった。

 そして、夜中に呼ばれてこんな所に来てしまった。
 その後、現れた化け物と戦わされた。
 いや、化け物と思っていたのはエルザ達だ。
 俺はエルザ達に剣を向けていた。
 ルーギィの奴、俺と精霊の皆んなを戦わせるなんて。
 まて、大きい化け物がエルザ達なら、今斬った小さい化け物は……。
 俺は直ぐにわかったが、そう思いたく無い。
 いや、まさか……。

 俺は震え気味で下を向くと、倒れていたのは想像通り、ルマだった……。

 既にエルザ、シルク、マリス、シャルがルマに声をかけている。
 シルクは回復の泡でルマを包んでいるが、すぐに割れて消えてしまう。

 なにやってるんだ。 シルクの回復魔法ならこんな傷すぐに治せるだろ?
 マリスの回復の風もかけてあげてくれ。

 ……そうか、パワーアップしないと、マリスは回復の風が使えないのか……。
 嫌な予感が背筋を走る。
 俺は力無くその場に座り込むと、ルマを持ち上げる。

「良かった……、カケル……、元に戻ったのね……」
 
 ルマが力無い声で俺の方を見て話す。
 その話し方に涙が溢れ出す。

「ルマ! ルマ! 待ってろ! 必ず助けるからな!! シルク! 早く回復魔法をかけ続けてくれ! そうか! 召喚し直せば! シルク、 早く魔法陣へ戻るんだ!」

 シルクは口を抑えたまま、無言で首を振る。

 シルクに話していると、ルマの体が薄く光り、足の方から光りの粒となって空へ消えていく。

「カケル……、ごめん……、アイスクリーム食べに行けなくなっちゃった……よ……」
 
 ルマが俺の頬に手を伸ばして来るが、その手も光りの粒となり消えて行く。

「まて! ルマ! ダメだ!!」
 
 消えていくルマを抱きしめる。

 そうだ! 大精霊様! 見てるならルマを! 俺ならなんでもしてやるから早く助けてやってくれ!
 大精霊様に声を飛ばすが、返事は無く、ルマはどんどん光りの粒となっていく。


 そして、ルマの全てが光りの粒となり、空に消えて行った時、ルマの「カケル、今まで楽しかったよ。 ありがとう……バイバイ……」 と言う声だけが聞こえた……。


「あら、もう消えちゃったの? 邪魔な妖精だったけど、少しは楽しめたわ」
 
 足を組んで手で仰いでいる。

「精霊も殺してくれたらもっと良かったんだけどね~。 それにしても、魔力も気配も結界で遮断したのに、良く他の奴はわかったわね」
「わたくし達はそんな結界位では断ち切れませんわ!」
「せっかく友達になったのに……、許さない……、許さないぞ!!」
「私も絶対に許しません!」
「翔……、私と融合しろ」

 俺は手の平を見つめている。
 今までルマがここにいた。
 何故だ……、なんでルマが……?
 俺が……。
 俺がルマを……。
 俺が、俺が、俺が、俺が……。

「ガアアアアアアアアアアア!!」

 頭の中は真っ白だ。
 だが、ルーギィは俺が殺さないと!
 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す!

「うわぁ!」
「きゃあ!」

 周りにいる奴らを俺の魔力で吹き飛ばす。
 俺は頭の中は殺せと言う言葉が渦巻いている。
 ルーギィを見つめ、なりふりかまわず突進する。

「くっ! こいつ! まさか!! キャア!」

 こいつは俺の剣をなんとか捌いているが、俺の剣速の方が早い。

 俺の怒涛の攻撃で片腕を切り落とした。

「こいつのこの魔力、間違いないわ。 あいつらにも教えてやらないと」
 
 そして目の前の敵は消えた。

 残る敵は後4人。

 俺が襲いかかると、白い髪の敵が、握りしめていた首飾りを俺の目の前に出すと、俺はその首飾りを見て……、その場に倒れた。
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